スポンサーリンク

データはありません

文春:82歳 認知症の母、朝丘雪路と過ごした最後の30分――追悼2018

2018年に亡くなられた方の追悼記事を掲載します。

(初公開日:2018年7月21日)*  *  * 

8月4日、俳優の津川雅彦さんが心不全で78歳の人生の幕を閉じた。約3か月前の4月27日、妻で女優の朝丘…

 

2歳 認知症の母、朝丘雪路と過ごした最後の30分――追悼2018

12/30(日) 11:00配信

文春オンライン

2018年に亡くなられた方の追悼記事を掲載します。(初公開日:2018年7月21日)

【写真】若き日の朝丘雪路さん(1958年撮影)

*  *  *

8月4日、俳優の津川雅彦さんが心不全で78歳の人生の幕を閉じた。約3か月前の4月27日、妻で女優の朝丘雪路さん(本名・加藤雪江)がこの世を去ったばかりだった。朝丘さんはアルツハイマー型認知症を患い、2009年から別居していた夫の津川雅彦さん(78)が3年ほど前から同居し、介護をしていた。津川さんは、45年間連れ添った朝丘さんに対し、生前「娘を産んでくれたことを含め、すべてに感謝です」と語っていた。女優の道に進んだ長女の真由子さん(44)が、家族3人で過ごした日々を語る。 (出典:文藝春秋2018年7月号 インタビューは2018年5月23日に行われました)

◆ ◆ ◆

「眠れる美女」のように

 母の死がこれほど突然に訪れるとは思ってもみませんでした。

母を看てくれているお手伝いさんから「少し様子がおかしい」と電話をもらったのは、お昼頃、仕事先へ向かおうと自宅で準備しているときでした。心配ですぐに車で5分ほどの実家へ駆けつけました。

母はベッドのなかで、すやすや眠っているように見えました。寝息のようにスースーと息が聞こえ、いまにも目を開きそうです。私は「ママ! ママ!」と何度も呼びかけました。

お手伝いさんの話では、朝はいつもの様子でしたが、しばらくして声をかけると反応がなかったそうで、あわてて仕事で外出していた父と私に連絡したとのことでした。

父から、とにかくお医者さんに連絡をとるように言われましたので、主治医に連絡をとりました。

あまりに急なことで私は気が動転し、「本当にこのまま亡くなってしまうのかな」と不安でいっぱいでした。父も初めは驚いた様子でしたが、今思うともう覚悟していたのでしょう。母の様子を見て安らかに逝かせてあげようと思っているようでした。母を心配しながらも私のことも気づかい支えてくれた父はすごいなと思いました。

私たちの声や思いは母の意識にきっと届いていたと思います。母はおとぎ話の「眠れる森の美女」のように目を覚ますことなく眠ったまま、夕方に静かに息をひきとりました。

自宅で家族に看取られたのは理想的な最期だったのかもしれません。私たちに苦しむ姿を見せなかった母は、本当に家族孝行だと思います。

 

Source: 文春砲

スポンサーリンク




ブログをメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

2,402人の購読者に加わりましょう

この記事が気に入ったらフォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事