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北朝鮮の脅威警報は「オオカミ少年」ではない 安住氏の倒錯したJアラート批判 朝ドラが飛んだから?

北朝鮮の脅威警報は「オオカミ少年」ではない 立民・安住氏の倒錯したJアラート批判 実は楽しみだった朝ドラが飛んだから?

北朝鮮が13日朝、弾道ミサイルを発射した。同国メディアは14日、従来の液体燃料式よりも迅速に発射できる、固体燃料型の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星18」の発射実験を行ったと報じた。

吉田圭秀統合幕僚長は13日の記者会見で、日本の領域内への弾道ミサイル落下が予測された戦後初の事例だったと述べた。明らかに北朝鮮のミサイル技術は進歩し、わが国の平和が危機にひんしている。

北朝鮮の新型ICBM「火星18」(朝鮮中央通信=共同)

 

北朝鮮の新型ICBM「火星18」(朝鮮中央通信=共同)

政府は国民に危険を通知する全国瞬時警報システム(Jアラート)で「直ちに避難を」と呼びかけた。だが、避難しようにもどこに避難すべきかを考える時間はなく、動揺、混乱が広がった。その後、情報は訂正され、危機は去ったことが明らかにされた。

政府の対応に猛然と噛みついたのが、立憲民主党の安住淳国対委員長だ。13日、党の会合で次のように語ったという。

「確実性や信憑(しんぴょう)性がなくなると、『オオカミ少年』や信頼をなくすのは世の常ではないか。どうも政府が後から言い訳しなくてすむよう、念のため(警報を)打ったということで、国民生活をあまり考えていない

これは倒錯した非難としか評せない。問題なのはミサイルを発射した北朝鮮なのであって、日本政府の対応ではない。国民の生命を守ることを重視するならば、Jアラートで情報を提供することは当然だ。避難先が分からないのは、日頃より危機に際しての訓練が行き届いていないからだ。仮に日本政府に落ち度があるとすれば、事前に避難先を周知徹底しておらず、十分な訓練も実施していなかったことだ。

立憲民主党に問いたい。あなた方は着弾を想定した避難訓練の重要性を指摘していたのだろうか。国会の議事録を確認してみたが、立憲民主党が着弾を想定した避難訓練を積極的に求めていたことを確認できなかった。

また、「オオカミ少年」の比喩も不適切だ。「オオカミ少年」は「狼がやってきた!」と明確なウソをつき、人々の驚く様子を楽しんでいた。愉快犯といってよい。だが、政府のJアラートは実際に危機を察知したから発信されたのであり、意図的な虚偽ではない。

北朝鮮のミサイルは実際に発射されており、発射されてもいないミサイルの危機を煽っていたわけではない。

なぜ、安住氏はここまでJアラートの発信を批判するのか。自身でその怒りの根拠を語っている。

「個人的なことを言えば、NHKの朝ドラが面白そうなんで楽しみにしていたら、すっかり番組が飛んでしまい、ご丁寧に1時間以上、NHKは(ミサイル関係の報道を)やっていた」

「語るに落ちた」、とはこのことではないか。怒りを通り越して、あきれるほかない。

いわた・あつし 1983年、静岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同大学院修士課程修了。大和大学准教授などを経て、現在、一般社団法人日本学術機構代表理事。専攻は政治哲学。著書・共著に『日本再建を阻む人々』(かや書房)、『政治学者、ユーチューバーになる』(ワック)、『エコファシズム 脱炭素・脱原発・再エネ推進という病』(扶桑社)など。ユーチューブで「岩田温チャンネル」を配信中。

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