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2023年3月3日号・百田尚樹のテレビでは伝えられない話 :ニュースに一言

2023年3月3日号:ニュースに一言

2023-03-03 16:17
 
●3月、卒業の季節です。慣れ親しんだ学校から全く知らない新しい世界に旅立つ若者たちは、きっと喜びと不安がないまぜの心持ちでしょう。67歳になったわたしが今思うのは、若さはすべてを解決する力の源だということです。卒業生諸君、あなたたちは例外なくその何よりも強力な武器を携えているのです。なにも怖がることはありません。自信をもって次のステージに臨んでください。そこには想像以上に素晴らしいものが待っていますから。
現在の生活に不満がなくても、ふと若さにあふれた学生時代に戻りたいと想うことは誰にでもあります。そんなとき真っ先に手にするのが「卒業アルバム」です。その卒業アルバムが大進化を遂げているという話題です。
我々の時代は卒業写真の撮影の日に休んだ生徒の顔は、ページの右上にひとりだけ証明写真のように添えられたものでしたが、現代では撮影日に欠席者がでたら、その生徒の入るスペースを空けて集合写真を撮影するそうです。そして後日、欠席者を別撮りし、その空いているところにはめ込み、あたかもそこにいたかのような集合写真を作るといいます。そんなことして不自然な写真にならないのかと思いますが、たしかに今はスマホでも本来そこにある物を消したり、移動させるなんて簡単に出来ますから心配ないのでしょう。
さらに集合写真といえば、必ず何人かは「ハイ、チーズ」の瞬間に目を閉じてしまい「お願いもう一枚」となり、撮り直す度に今度は違う生徒が目をつぶり、いつまで経っても終わらないなんてこともありました。しかし、今はその生徒だけ撮り直し差し替える、あるいは修正で目を開けることもできるといいます。そのうちわざわざ集まらなくても各自がデータを持ち寄り、行ってもいないディズニーランドのシンデレラ城をバックにした集合写真が卒業アルバムを飾るようになるのかもしれません。
そういえば現代の女子高生はスマホにあらかじめ補正アプリを仕込んでおき、常にお気に入りの姿になるようにしているそうです。そのため彼女たちの撮る写真は全部がアイドル並みの可愛さ満載です。どうやら絵画は描き手の想いにより変化するが、写真はそのものが写るなんて過去の話で、写真も写し手の想いでどうにでもなるようです。
今年卒業の中高生はコロナの影響で入学以来ずっとマスクを強いられており、一度も素顔を見ていない同級生もいるそうです。そんな彼らが数年後に開かれる同窓会に出席するとき、頼みの綱の卒業アルバムの写真が修整だらけのものだったら、懐かしさのかけらもない知らない人だらけの集まりになるでしょう。
●三重県南伊勢町が2013年6月から2020年6月までの7年にわたって職員への賞与支払いで計算ミスを繰り返し、約40人分について規定より多かったり少なかったりしていたというニュースがありました。
このミスは2020年12月の賞与支給の際、それまで計算業務を担っていた職員が交代し、その後任が誤りに気づいて発覚しました。今から2年3カ月前です。本来なら間違いに気付いた時点ですぐ修正処理するものですが、余分に受け取った職員に返還請求したのは昨年12月といいますから随分とのんびりした話です。
なぜ2年も掛かったのかというと、なんと計算を誤った担当職員が点検と再計算をすることになったのに終わらなかったからと聞いて呆れました。「間違ったのはお前の責任だから、お前がなんとかしろ」はいいのですが、この前任は“ちゃんと出来ない”からミスを犯したのです。そんな人に何とかしろなんて所詮無理な話です。
この職員は部署を異動した後も賞与計算を続けていたそうですが、新しい部署の上司はその姿を見てなんとも思わなかったのでしょうか。その姿勢からは「面倒くさそうなことには関わらないでおこう」が見え隠れしています。
最初の間違いからは既に10年近く経過しています。過小支給分を含めて既に一部は時効になっているようで、返還を免れた方はいいとして、本来もらえるはずのボーナスを減らされた職員は納得できないことでしょう。「次のボーナスで穴埋めするから」なんて密約があるかもしれませんが、その原資は税金であることを南伊勢町民はわすれてはいけません。
●大阪市生野区で2018年、聴覚支援学校小学部に通う当時11歳の女児が重機にはねられ死亡した事故で、運転手や当時の勤務先に対して、遺族が約6100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決があり、大阪地裁が約3700万円の支払いを命じたというニュースがありました。
この裁判のポイントは「逸失利益」の算定方法にありました。「逸失利益」とは、それがなければ本来得られたはずの収入のことで、今回の場合は事故に遭わず女児が順調に成長し寿命を全うするまでに稼ぐ金額を指します。現在、年収が手取り400万円の50歳のサラリーマンなら65歳まで働くとして400✕15で6000万という具合に計算も容易ですが、厄介なのはまだ働いていない場合です。その時はすべて「〇〇だったら」という仮定での算出になります。たとえば被害者が医学生なら○○は医者となりますので、その金額は一気に跳ね上がります。わたしは今でこそお金に困らない生活を送ることが出来ていますが、20代後半の頃は貧乏なものでした。もし、そのとき事故に遭っていたとしたら「大学中退」の安定収入のない「放送作家(自由業)」ですから、○○はプータローとなりそこから導き出される「逸失利益」は悲惨なものだったことでしょう。
子供など、まだ○○に入る職業が決められない場合は全労働者の平均となるのですが、今回の女児は聴覚障碍者だったため、その額の85%が妥当だとされました。その理由を裁判長は「被害者には様々な就労可能性はあったといえるが、他者とのコミュニケーションが制限される障害があったことは否定できない」としています。裁判ですからどこかで「線を引いて落としどころを見つけなくてはならない」ことはわかりますが、我が子を失っただけでも悲しいのに、さらに一人前と認めないだけでなく、その可能性さえも否定された親の気持ちを想うといたたまれません。
数年前に比べ技術の進歩により障碍者が出来る仕事の範囲は大幅に広がっています。さらに障碍者を雇用する法律も整備されつつあり、以前は絶対に入れなかったであろう大企業にも就職できるようになっています。この流れは今後ますます進み、健常者との賃金格差はますます小さくなっていくことでしょう。将来アメリカに渡り世界のホームラン王になって数百億を稼ぐ子供、すぐれた医学者になり多くの人を助ける子供がいる一方、生粋の怠け者で一切働かず一生生活保護に頼る子供もいるかもしれません。良くも悪くもすべての子供には無限の可能性があります。憎むべきはそれを根こそぎ奪った事故そのものであることは言うまでもありません。
●性犯罪で有罪判決を受け執行猶予中の男性が、大分県内の市立小学校の非常勤講師として勤務していたというニュースがありました。
この40代の講師は女子生徒の体を触るという教育者として最もあるまじき行為で、2021年7月に有罪判決を受け執行猶予中でした。そんな鬼畜ともいえる男が今年1月から再び教壇に立っていたのですからおぞましいことこの上ありません。
大分県教育委員会は、採用時にこうした事実を把握していなかったそうで、あまりにも無能で、あまりにも無関心で、あまりにも無責任な教育委員会と言わざるを得ません。さらに委員会の言う「男性の任用の解除も含め対応を検討している」には開いた口がふさがりません。この期に及んでなに悠長に構えているのか。こんな輩は検討も何も即刻解雇、追放が当然です。
今回の発覚は「事件のことを知っているか」との保護者からの通報によるものでした。これがなければこの男は何食わぬ顔をしてずっと登校していたと考えるとぞっとします。いったい教員の管理はどうなっているのでしょう。罪を犯した教員は名前を教員免許の番号をインプットすればその賞罰、人となりがすぐにわかるよう一元管理し、全国どこの学校でも状況把握が出来るようにするべきです。こんなことを言うとまた人権派界隈の人からお叱りを受けるのでしょうが、職業選択の自由や教師の人権なんて学校という子供相手の場所では二の次三の次です。
最も優先されるべきは何を置いても子供の安全と健やかな成長を促す環境です。これは絶対に譲れません。
●1月30日、札幌市北区の資源ごみ回収施設で西区や手稲区から回収した新聞・雑誌・段ボールなどの「雑紙」の中に現金1000万円があるのを分別中の作業員が発見しました。届け出を受けた警察は「拾得物」として受理し持ち主を探すことにしましたが、この出来事が報道されるやいなや「わたしが落としたものではないか」との問い合わせが、2月だけで12件も相次いだそうです
物価はどんどん上昇するのに給料は一向に上がらず、世間が「不景気だ」と騒ぐ中、1000万円もなくなったのに一切届け出ていなかった“遺失物”が1億円以上もあったとは、札幌市だけはバブル景気が続いていたようです。なんてことがあるはずもなく、問い合わせた12人の内11人、あるいは12人全員がウソを言っているのは明らかです。
1000万といえば大金です。普通、お金がなくなればすぐに捜すでしょう。100円や200円ではありません1000万円です。それなのに届けなかったのは、そんな事実がなかったからと考えるのが自然です。にもかかわらず、あわよくばと考え恥も外聞もなく「わたしのかも」と名乗りでる、なんとさもしい根性でしょう。そんな彼らの説明する失くした状況がふるっています。
「家のクローゼットに現金1000万円をしまっていたが、見当たらない。ゴミとして捨ててしまったのかもしれない」
家の中から1000万が消えたのなら落とし物より、まず空き巣を疑うべきでしょう。
「道内旅行中に1000万円をなくした」
毛ガニの買い付けに来た爆買い中国人じゃあるまいし、キャッシュレスのこの時代に1000万の現金を抱える旅人なんか聞いたことがありません。
「認知症の祖父母がごみと一緒に捨てたかもしれない」
おいおい、ついに肉親をボケ老人にしちゃったよ。みなさんよくもまあ都合のいい状況を思いつくものです。
警察によりますと、4月30日までに持ち主が現れない場合は札幌市のものになるということですが、12人も「我こそは持ち主だ」と言う人がいる中で、どうやって本物を確定するのでしょう。ここはひとつ、一番おもしろい紛失理由を考えた人の勝ちというのもありかも。
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