昨年7月8日、演説中に凶弾に斃れた
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安倍側近議員「体内に残った弾丸への疑問」

 総裁特別補佐として安倍晋三元首相を支えてきた高鳥修一衆院議員(62)。

捜査に違和感を抱き、事件の後、2度にわたり警察に説明を求めてきた。

安倍派で農水副大臣などを歴任

事実関係を明らかにしてほしい。警察に望むことは、この1点に尽きます。

警察庁幹部から説明を受ける機会を得た際、

警察側は、私が投げかけた質問事項に全て回答してくれました。

その姿勢は評価しなければなりません。

ただ、それでも納得できなかった。

司法解剖の結果では、右前頸部(首の付け根の右前)から体内に銃弾が入ったとされています。

しかし、文春が連載第1弾で実証実験をしていたように、

事件発生時の安倍さんの姿勢では、右前頸部に銃弾は当たらない。

警察が説明するように「大きく振り返った」なら、他の傷の付き方に矛盾が生じるのです。私は1月18日、大和西大寺駅前の事件現場にも足を運び、山上(徹也)被告の発砲地点や安倍さんが立っていた演台の位置などを細かく確認しました。

そうやって自分なりに検証をし、警察の説明を聞いても、やはり納得はできませんでした。しかも、おかしな点はこれだけではないのです。発砲地点や演台の位置などを細かく確認しました。そう やって自分なりに検証をし、警察の説明を聞いても、やは り納得はできませんでした。しかも、おかしな点はこ れだけではないのです。司法解剖の結果、体内から見つかった銃弾は一つ。 これは右前頸部から入った もので、発見されたのは右 上腕部だったとのことでした。しかし、上腕部は 首よりも低い位置にある。 なぜ首から入った銃弾が、 上腕部まで移動するのでしょうか。

私は新潟県猟友会の顧問 をしている関係で銃や銃 弾にはある程度の知識があります。また、今回の事件 については個人的に、救命 医などの専門家に意見を求 めてきました。それらの知 見を総合すると、太い骨な どの固い物体に当たらなければ、まっすぐ飛んでいた 銃弾が体内で方向を変える ことは考えにくい。しか し、右前頸部の付近に、銃弾の向きを変えるほどの太い骨はありません。首の固い骨といえば頸椎が思い浮 すが、安倍さんの振りかえり方からすれば、右前頸部から入った弾が頸椎に当たるのも考えられません。つまり、首から入った銃弾が 下方向へ向きを変えて上腕部に到達したことについても、合理的な説明がつかないのです。決して陰謀論ではありません。この事件には、辻褄が合わないことが沢山あります。明示される情報量も少なすぎる。私は事実を知りたいだけなのです。私のもとには、この事件 に疑問を抱く同僚議員たちから「何かあったら協力す る」「文春を読んで問題点 が分かった」という声が届 きました。安倍派に限らず 派閥を横断する形で、その 人数は二桁に及びます。これから公判も始まりま す。まるで〝兄貴”のよう な存在だった安倍さんのためにも、今後の展開を注視し、真相究明の取り組みを続けていきたいと思います。