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5.18 台湾独立派を国際手配したい中共の恫喝謀略

■「台湾独立分子」の国際手配・逮捕のための名簿作りは事実か

中国で対台湾工作を管轄する国務院台湾事務弁公室(国台弁)の定例会見が五月十六日に開かれ、国営新華社通信の記者が、次のような質問を行った。

「先日、大陸(※中国)のメディアが台独分子名簿を公布し、法に従い懲戒を加え、特に悪辣な者は国際手配を行うべきだと建議した。すでに関連部門が名簿作成に着手していると聞くが、それは事実か」と。

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この「メディア」とは中共機関紙人民日報系の国際情報紙で、対外強硬路線で知られる環球時報のことらしい。同紙は昨年十二月十九日に配信の社説で、次のようなおぞましい「建議」を行っているので、まずこれから見てみよう。

―――大陸は一部の台独分子に制裁を加え、中でも罪の大きい者は処罰し、指名手配を行い、最後は法律で捕縛すべきだ。

―――このようにすれば必ず、島内(※台湾国内)の台独勢力に強烈な衝撃を与えることになる。たしかに短期的に見れば、台湾当局と過激な台独分子から反撥を受けることになるが、長期的に見れば、成果はだんだんと上がるだろう。

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―――台独分子へ懲罰には十分な法的根拠がある。国際社会は普遍的に「一つの中国」原則を支持しており、大陸のこうした措置に反対する世論など、大して盛り上がりようもない。

―――台湾の正常な司法に干渉するのではない。国家統一の維持というレベルで、厳重な違憲行為に対し法的手段を行使するだけだ。

―――我々はこの闘争に勝利を収めることができる。このようにすれば、最も有効に台湾に関する主権を宣揚することができる。民進党当局による近年の各種台独の動きによる悪影響も、ほぼゼロに帰することになるだろう。

■中共が標的にする「台湾当局」「過激な台独分子」とは

罪なき人々を指名手配し捕縛せよなど、とても文明国家のメディアの「建議」とは言えない。そもそも「台独分子へ懲罰」に「法的根拠」など、あろうはずもない。

社説が標的とする「台独勢力」には、「台湾当局」と「過激な台独分子」があるようだが、この「台湾当局」とは民進党政府のことだ。

民進党は国民党と異なり、台湾は中国の領土の一部であるとする「一つの中国」のフィクションを受け入れず、台湾が独立した主権国家であるとの現実を強調している。そのため中共はこれを、中華人民共和国の独立勢力だと断罪するわけだが、これほどおかしなことはない。

国際法上、中国に帰属しない台湾が、どうしてあの国から独立できるというのか。これは「一つの中国」という捏造宣伝に基づく悪質なレッテル張りであるが、しかし日本などでも、この虚構宣伝にメディア各社も含む多くが騙されており、まことに侮れない。

他方「過激な台独分子」とは、中華民国体制を容認する現在の民進党と違い、同体制を終焉させ、国家正常化(新たな台湾人国家の建国)を図ろうという、真の意味での台湾独立勢力のことだろう。

台湾独立
台湾独立2

もしこうした急進的な独立勢力が擡頭すれば中国の武力行使を誘発するなどと、しばしばトラブルメーカ視されるが、そうしたマイナスイメージもまた、中共の宣伝の産物である。

そもそも台湾でいかなる国家を築こうと、それは台湾人民だけが決めることであり、中国を含むいかなる外国も、それを妨害することは許されない。

もっとも台湾への領土的野心に燃える中国には、そうした理屈はどうでもよく、こうした覇権主義国こそが真のトラブルメーカーなのである。

■台湾人への“精密攻撃”、“標的殺害―個人に科する経済制裁の建議

覇権主義者だからこそ、環球時報は執拗だ。翌十二月二十日配信の社説でも、引き続き「台独分子」迫害の「建議」を行っている。

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―――我々は建議する。大陸は今後、島内の独立派に精密攻撃を実施し、“標的殺害”効果を上げ、台独陣営内部に恐慌、分裂をもたらし、有効な長期的威嚇を与えるべきだと。

―――昨日の社説で提案したように、大陸は大罪極悪の台独分子の名簿を公布し、彼らの制裁を加え、彼らの大陸での資産を凍結し、大陸のすべての企業、部門と台独分子とのあらゆる往来も禁止するべきだ。

―――また、その中の一部の人間に対し、大陸の司法機関は刑事責任追及を行い、国際手配を行い、大陸へ連行して裁判にかけるべきだ。もし裁判が行えなければ、統一後に追懲すればいい。

―――さらに一歩踏み込んだ懲罰として、台湾企業にはブラックリストに載る者との商取引を禁止し、もしそれに従わない企業があれば、大陸での取引を禁じることも可能だ。ひとたび大陸がこうした措置に出れば、台独分子の経済的な前途は、基本的には剥奪されることになる。

個人に経済的な制裁を加えることを「標的殺害」とはよく言ったものだ。こうした言説が公表されるだけで、「台独陣営内部に恐慌、分裂」が起こり、ひそかに中共に寝返ろうとする者も出るのかもしれない。

もちろん中共のことだから、「台独分子」のブラックリストなど、いつでも作られているはずだ。中国ビジネスを行う台湾人に対する脅迫、締め出し、あるいは籠絡、買収、吸収などは、そうした資料に基づいて行っているはずだ。

そうしたなか、もしリストが公表されるとなるとなれば、それだけで話は大きく変わる。そこで名指しされた者は、一切妥協してはならない不倶戴天の死敵、千古の罪人と認定されたと同然となり、経済制裁だけではなく、八つ裂きにしてもかまわないと、あの国の人々に認識されることだろう。それが中国伝統の政治闘争文化というものなのだ。

■台湾人に憎悪感情を剥き出しにした中国政府の報道官談話

さて問題は、実際に新華社の記者が言うように、名簿の作成は行われているのか。その会見で国台弁の安峰山報道官はこう答えた。

「両岸(※)統一は阻止することのできない歴史的大勢。台独の動きなど行き詰るだけであり、せいぜい台独分子により台湾同胞が災難を被るだけだ。痕跡とは残るものである。台独分子は自分の話したこと、行ったことが忘れられるなどと思ってはならない。過ちを改めない頑迷な台独分子は、必ず人民の譴責、歴史の懲罰を受けることになる」

「台湾同胞が災難を被る」というのは、人民解放軍が台湾に武力を行使するとの意味だ。統一に応じようとしない台湾人民に対する中共の憎しみの感情剥き出しの報道官談話と言えるが、しかし肝心の「名簿作成」情報の真偽にはついに一言も触れなかった。

おそらく中共としては、名簿公表、国際手配など、あらゆる手段でいますぐに、所謂「台独分子」に打撃を与えたいところだろうが、しかし恫喝は繰り返しても、勝算なくば実行に移さないのもまた中共である。

もし中共が実際に、そのような台湾人民の人権を一方的に蹂躙する苛烈な行動に出た場合、間違いなく国際社会で大きな注目を浴び、そして必ず「一つの中国」の主張が果たして事実か否かが国際的な議論の対象になるだろう。

そうなれば、「一つの中国」が法律歪曲、歴史捏造に基づくフィクションであることが広く知られることになり、長期間にわたってきた対外宣伝工作は大きなダメージを受けることとなろう。そうした危険を中共は、あえて冒そうとするだろうか。

■「譴責」されるべきは台湾独立ではなく中共の人権弾圧・虐殺・領土拡張

たしかに環球時報の社説はこう豪語する。「国際社会は普遍的に『一つの中国』原則を支持しており、大陸のこうした措置に反対する世論など大して盛り上がりようもない」と。

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たしかに世界各国は中国への配慮で、「一つの中国」の主張への批判は差し控える傾向にあるが、しかし実際を言えば、中国の経済支援を受ける一部の発展途上国以外の国々は、台湾を中国領土であるとのフィクションは、さすがに承認していないのだ。

国際世論も社説の予想に反し、大きく台湾支持に傾くはずである。日本だけを考えてみても、中国の措置を支持する者など、よほどの変わり者、ひねくれ者ぐらいではないのか。

これからの世界では、中国の勢力拡大に伴って中国脅威論が高まり、それとともに民主主義国家台湾への同情、理解、支持も広がって行くことだろう。

したがって「大陸のこうした措置に反対する世論」は、決して盛り上がらないはずはないと思う。だから、私などはむしろ、中共はいっそのこと名簿を公開し、自らが民主も人権も法も知らないファシストであることを世界に示してくれたらどうかとも思うのだが、向こうもそこまで愚かではないのではないか。

ただ社説が「国際社会は普遍的に『一つの中国』原則を支持」していると自信満々で断言するように、国際社会がこうしたフィクションを正面から批判、否定することに及び腰であるのは事実。そしてそれが中共を増長させているのである。だからこそ国台弁報道官も「過ちを改めない頑迷な台独分子は、必ず人民の譴責、歴史の懲罰を受けることになる」といった恫喝を公然と行えるのだ。

あの国に誤ったメッセージを送ってはならない。そして「一つの中国」の虚構宣伝の打破は急務だ。

そしてそれと同時に、元来国際社会で譴責されるべきは、長年にわたり人権弾圧、虐殺、侵略を繰り広げている中共自体であるとの認識を確立し、広げていかなくてはならない。

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Source: 台湾は日本の生命線!

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