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先週、イギリスの空母「クイーン・エリザベス」が母港のポーツマスを出港した様子は日本でも報じられました。「クイーン・エリザベス」を旗艦とするイギリスの空母打撃群は5月から12月にかけて地中海や紅海、インド洋を経て太平洋に向かいます。途中インド、シンガポール、韓国、日本に寄港し、自衛隊との共同演習も実施されることになっています。4月26日、イギリスのウォレス国防相は「(空母打撃群の派遣は)日本、インド、太平洋地域、国際秩序への脅威に立ち向かう我々のコミットメントを示すものだ」と述べました。国名こそはっきりと言いませんでしたが、明らかに中国を意識したものであることはすぐに分かります。岸防衛相は3月25日、ウォレス国防相と電話会談を行い、イギリスの「インド太平洋への傾斜」を歓迎する意向を伝えました。
なぜ今、この時期にイギリスが空母打撃群を太平洋に派遣するのか、不思議に思う人もいるでしょうが、これはイギリスがブレグジットを決めた時からの国家戦略の延長線上にある動きです。3月15日、「ポリティコ(POLITICO)」というメディアが「Grobal Britain pivots to Asia」という記事を書きました。「世界国家、英国はアジアに回帰する」という意味です。イギリスはこれからはヨーロッパと距離を置き、アジアに傾斜していく、ということを3月の時点でイギリスのメディアがはっきりと書いています。「アジアに傾斜する」というのは、ちょっと分かりにくい言い方ですが軸足をアジアに移す、ということだと思います。
3月17日、「FT」というメディアが衝撃的なニュースを流しました。イギリスは言うまでもなく核保有國ですが、イギリスが保有する核弾頭を増やし、核兵器能力を向上させると報じたのです。その後、これを訂正するニュースはないので、事実だと思います。これも同じ国家戦略の中にある動きだと思います。
あまり知られていませんが、イギリスがブレグジットの後、最初に自由貿易協定を結んだのはアメリカではなく日本でした。イギリスが日本を重視していることはこのことからも分かります。私はこの流れは、もしかしたら120年ぶりの日英同盟につながる動きなのではないかな、と期待しています。今、日本の唯一の同盟国はアメリカですが、だからといってイギリスと同盟を結んで悪い、ということはありません。イギリスは距離的には遠い国ですが日本と同じ島国であり、王室があり、価値観を共有できる国です。アメリカが政治的に混乱状態にある今、イギリスという民主主義国、そして世界に冠たる情報先進国と結ぶことは情報機関もない日本にとって国力アップのチャンスではないでしょうか?
太平洋には今でも英連邦の一部である島々があります。オーストラリアもニュージーランドも英連邦の一部です。もしこれらの国を中国に渡すことになれば、イギリスの国益が損なわれるのですからイギリスが太平洋に関与する理由は十分にあります。
日本政府もイギリス政府のように、明確な国家意思を表明できるようになって欲しいものです。
Source: 愛国女性のつどい花時計