昨年8月3日夜6時過ぎ、小渕優子の姿は虎ノ門の「ホテルオークラ東京」にあった。首相の岸田文雄も参加する会食のため、170センチ近い長身の優子が颯爽と向かったのは、高級日本料理店「山里」だ。

9年ぶりに要職に起用された

都心のど真ん中にもかかわらず、個室の窓の外には、日本庭園が広がり、静謐で洗練された雰囲気が漂う。

「我々も応援していくから、しっかりと頑張って下さい。そして、優子さんと、息子の(青木)一彦(参院議員)を宜しく頼みます」

くぐもった声で岸田にそう語りかけたのは“参院のドン”と呼ばれた元官房長官の青木幹雄。岸田も頷きながらこう応じる。

“参院のドン”青木幹雄

「応援頂けるのは、ありがたいことです」

優子はただ畏(かしこ)まっている。その場を、満足げな表情で見つめる人物がいた。最大派閥・清和会(安倍派)のオーナーとして君臨し続ける、元首相の森喜朗である。