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2023年7月9日1/2号:ニュースに一言「百田尚樹のテレビでは伝えられない話」
百田尚樹チャンネルスタッフ

●政府が労働市場改革に力点を置く「骨太の方針」を閣議決定したというニュースがありました。この「骨太の方針」では日本経済の低成長が続く原因は、成長分野への労働移動を妨げる終身雇用や年功序列などの日本型雇用にあるとし、それが世界をリードする新たな企業の誕生を妨げていることで賃金が伸び悩むといった現状を生み出していると結論付けています。そのため今後は「人への投資」を強化し、労働者のリスキリング(学び直し)を後押しすることにより新たな能力を身に付けさせ、労働者側が仕事を選ぶことができるようになることで企業間で人材の奪い合いが生じ、それが賃金の持続的な引き上げにもつながるとしています。

高度経済成長期を含む昭和の時代、ほとんどのサラリーマンは最初に入った会社で定年まで働き続けました。企業側は会社に忠誠を誓い頑張る社員のおかげで利益を上げ、また社員側は終身雇用により安定した人生設計ができるなど互いにメリットがありました。それが時代が平成、令和と移り変わり現在では転職も珍しくない時代になっています。ある調査によると、「定年までこの会社で働きたい」という新入社員は全体の2割ほどしかいないそうです。政府が転職を推奨するまでもなく、若者の中では「なにがなんでもこの会社で頑張る」という意識はすでに希薄なのです。
そんな彼らにとって今回の「骨太の方針」は朗報でしょうが、果たしてそんなにうまくいくのでしょうか。「全員が向上心を持ち、転職を繰り返すことにより報酬が青天井に上がっていく」ためにはすべての社員が“優秀”であるという前提条件が必要です。現在でも転職により成功(収入アップ)しているのは例外なく優秀な人で、多くは転職前より待遇が下がっているのが実情です。
どんな組織も2割の優秀な人材と6割の可もなく不可もなくの人、そして2割のどうしようもない人材で成り立っていると言われています(例外は10割がクズの国会議員だけです)。ですから「全員が向上心を持ち、転職を繰り返すことにより報酬が青天井に上がっていく」なんて理想論に過ぎないのです。
かつての大学卒はエリート扱いされていましたが猫も杓子も進学するようになり、「大卒」だけで優遇されることがなくなったように属性だけで評価を得る時代は終わっています。それだけに“個”を磨くことが肝心ですが、相対的評価で待遇が決まるとしたらそこには序列が出来るのですから必ず最下位が存在します。転職して成功する人は、元の会社でも1番優秀で転職しなくても成功した人だけです。
わたしは1つの会社にしがみつくことが最善だと言うつもりはありませんが、仕事は人生の中で大きな比重を占めるものなのですから耳触りの良い言葉に乗せられて軽はずみな行動をとることだけは避けていただきたいと思います。「骨太の方針」では悪とされている終身雇用や年功序列などの日本型雇用が長く続いたのにはそれなりの意味があるのです。「骨太の方針」では転職を促すために同じ会社に長く勤めるほど退職金の税負担が軽くなる退職所得課税についても見直しを行うとしています。労働者に夢を与えるような言葉が並ぶ「骨太の方針」ですが、わたしには体の良い“増税”にしか見えません。
続きはニコ生百田尚樹チャンネルへ
https://ch.nicovideo.jp/hyakuta/blomaga
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