昨春、厳しいロックダウンが課された上海。半年以上が経過したが、コロナはいまだ猛威を振るっている。企業は従業員の感染で休業が相次ぎ、病院では患者が急増し、薬局には長蛇の列。

 

「次々と人が亡くなり、骨壺が売り切れてしまったほどです」

 

市内の病院「パークウェイ医療」の医師の友成暁子氏はこう語るのだった。

中国のコロナ感染が爆発している。契機となったのは12月7日のこと。約3年続いたゼロコロナ政策を転換したのだ。ルポライターの安田峰俊氏が語る。

「昨年10月の党大会で方針が示され、11月末にゼロコロナ反対のデモ『白紙運動』が起ったこともあり、急激なスピードで実現しました。本来は感染増を抑え込んでいる間に医療体制を整えるべきでしたが、80歳以上のワクチン接種率は約65%に留まり、医薬品の備蓄なども進んでいない。そうした中、唐突に緩和してしまったことで、一気に感染が広がったのです」