中国からの旅客に新たな変異株見つからず、最初の検査-伊首相
Chiara Albanese-
検出されたのは全て既知のオミクロン株、「差し迫った懸念ない」
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EUは保健担当高官が会談、中国での感染急拡大で対応を議論
中国からイタリアに最近到着した旅客便の乗客のうち、新型コロナウイルス検査で陽性反応が出た人の中から懸念される新たな変異株は検出されなかった。イタリア当局が明らかにしたもので、コロナの脅威再燃を懸念していた保健当局は一安心できそうだ。
イタリアのメローニ首相は29日の記者会見で、ミラノで行った検査サンプルの半分について既にゲノム解析を終えたと発表。検出されたのは全てが既知のオミクロン株だったと明らかにし、「イタリアの状況に混乱はなく、差し迫った懸念はない」と述べた。
イタリア当局は中国から最近到着した2便の乗客にコロナ検査を実施し、検査結果のゲノム解析を進めている。乗客の約半数がコロナ陽性となったが、大半は無症状だった。
中国発ミラノ便、乗客の半数がコロナ陽性-伊政府は全乗客検査へ (2)
コロナを徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策を過去数週間に撤回した中国では、感染が急拡大。正確な感染者数は明らかでなく、世界各国の間で新たな変異株が出現するとの懸念が高まっている。
中国からの渡航者にコロナ検査を義務付ける国や地域が増えており、日本や台湾などに続いて28日には米国とイタリアがこうした措置を取ると決定した。
イタリアは他の欧州連合(EU)加盟国にも同様の検査義務導入を求めている。ただ、今のところ他の加盟国は状況を注視すると述べるにとどめている。
ドイツ保健省は、中国で懸念される変異株が出現しているとの証拠は今のところないと説明した。
EUでは29日、中国での感染急拡大を議論するため加盟国の保健担当高官が会談。EUの保健安全保障委員会は「健康に対する国境を越えた重大な脅威に対して、国レベルの対応で協調することが極めて重要だ」とツイートした。
原題:Italy Has Not Found New Covid Variants in First Tests、Italy Finds No New Concerning Covid Variants in First Tests (1) (抜粋)
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