〝ポイチ特需〟日本代表の映画化も 代表ユニホームばか売れ、凱旋試合も前倒し検討 森保監督の続投望む声も 成田に650人お出迎え
【カタールW杯】 サッカーW杯カタール大会で2大会連続の16強入りを果たした日本代表が7日、帰国した。人気低迷に苦しんでいた日本サッカー界だが、成田空港には650人を超える出迎えがあり、今大会の活躍でムードは一転した。日本代表ユニホームは海外でもバカ売れで、大会期間中に動画投稿サイト「YouTube」で配信された日本代表の密着動画「Team Cam」の映画化も検討中。森保一監督(54)の続投を望む声も強くなっており、国内は〝ポイチ特需〟となっている。 (夕刊フジ編集委員・久保武司) 【写真】国歌斉唱で感極まり目に涙を浮かべる森保一監督 目標の8強には届かなかったが、森保ジャパンの凱旋に成田空港は熱狂した。混乱を避けるために帰国便は非公開だったにもかかわらず、650人のサポーターと190人の報道陣が集まった。出発した11月7日の見送りは10人にも満たなかったのとは大違いだった。 成田市内で行われた帰国会見には森保監督、主将の吉田麻也(34)=シャルケ、日本サッカー協会の田嶋幸三会長(65)、反町康治技術委員長(58)が出席。今大会を振り返りながら、熱心な応援を続けたサポーターへ感謝を述べた。 今大会の日本代表の活躍で、サッカー人気が盛り上がり、グッズ販売、イベント開催、サッカー人口の増加などの波及効果に期待が集まる。吉田は「チーム解散の際のミーティングで、これから(メディアへの)露出を増やしてサッカー人気を加速させようと伝えました。なので選手たちへのオファーをどしどしお待ちしています」と報道陣にPRした。 森保ジャパンによる〝ポイチ特需〟の目玉は日本代表の密着映像「Team Cam」の映画化だ。2020年10月、コロナ禍による露出不足を打開する切り札として始まった密着映像はカタール大会でバズり、世界でも森保ジャパンの注目度がアップ。「素晴らしい映像の数々だ。必ず映画にすべきだ!」という声が海外メディアからも上がっていた。 「Team Cam」は、カタール大会では試合ごとにYouTubeで30分弱の動画としてアップされた。普段は見られない選手の姿が届けられ、その視聴数は9日時点で「ドイツ戦の舞台裏」が約367万回、「スペイン戦の舞台裏」は約305万回を突破しており、再生回数は伸び続けている。 田嶋会長は「Team Camの映画化の検討に入っています」と話しており、映画館での公開や配信、DVDの制作などが検討されている。 W杯をテーマにした映像作品としては、2002年大会の日本初の16強を1台のカメラが追いかけたドキュメンタリー「六月の勝利の歌を忘れない」(岩井俊二監督)が有名。DVDや映画館でも上映され今でも根強い人気がある。 「Team Cam」は複数のカメラで撮影され映像も良質。これまで撮りためた未公開映像も大量にある。協会関係者によると「TV局さんなどからぜひ映像を貸してほしい」というオファーが殺到中で大ヒットが約束されているといっていい。 カタール大会にむけて新調された日本代表のレプリカユニホームも大ヒットしている。森保ジャパンの快進撃でドーハ市内のアディダスの公式ショップでは在庫切れとなった。大会開催国で日本のユニホームがこれだけ売れるのは異例。 日本では購入したユニホームに背番号や選手の名前を入れるマーキングが1カ月待ちという。大会前は南野、久保の背番号が人気だったが、大会期間中は堂安や三笘の売り上げが急速に伸びた。 国内での凱旋試合も注目されている。日本代表のオフィシャルパートナーのキリングループが主催する国内親善試合は、例年ならば6月に開催されているが、前倒しで3月開催が検討されている。大都市開催だけでなく日本全国ツアーも浮上している。 強豪ひしめく1次リーグE組に入り、大会前はそれほど期待されていたとはいえない日本代表だったが、予想を覆す善戦でフィーバーを巻き起こした。8強入りはできなくても、大きな成果のあった大会だったことをこの人気が証明している。