2週にわたって報じた国立病院機構の看護師たちの“ブラック労働”は国会でも問題に。そして、小誌に届く告発の声は止まらず、ついに100人を超えた。“看護崩壊”の危機は、なぜ放置され続けるのか。その元凶に迫る。

 

2月17日、衆議院予算委員会でついに取り上げられた、独立行政法人国立病院機構(NHO)の看護師の労働問題。立憲民主党・柚木道義議員の「調査し、指導する意向はあるか」との質問に対し、加藤勝信厚労相は次のように回答した。

「現場で働く方々の職場環境が適正に保たれること。労働関係法令が遵守されること、これは大変大事なことであります。引き続き、様々な情報を収集しながら、法の履行を図っていきたい」

NHOの労働問題について答弁する加藤厚労相

小誌はこれまで2週にわたって、NHOの看護師の労働基準法に違反する過酷な勤務実態を報じてきた。その間、情報提供窓口「文春リークス」への告発の声が止むことはなく、その数は2月20日時点で全国24のNHOの病院に勤める看護師、計101名に上る。

「妊娠しても流産一歩手前まで使い倒されて、辞めたら新人を入れての繰り返し。職員は駒にすぎない。まるで人権がありません」(京都医療センター看護師)

「10年前に退職しましたが、朝から夜まで働いて、残業代もほとんど貰えず、書類もハンコ管理。報道をみて、私がいた頃と何も変わっていない、と思いました」(国立病院元看護師)

働き方改革が進む今の時代において、なぜ看護師の“ブラック労働”は変わらないのか。