Mason Trinca / Reuters
おそらく3月と思われる新製品発表イベントと、2~3年後と予想される将来モデルの噂が飛びかった2月の第3週。AppleシリコンMacの新モデルはしばらく出ないとの声もあるなか、次期「M1X」チップの予想?も届けられていました 。
Apple Watch Series 7(仮)は血糖値測定できる?から3月16日にイベント開催?まで、最新アップルの噂をまとめてお届けします。
Jon Prosser
アップルが折りたたみデバイスを開発中とは、長らく噂されていたこと。iPhone組み立ての主要パートナーFoxconnが2種類ある試作機の折りたたみテストを終え 、そのうちフリップ(縦折り)型が勝ち残ったと伝えられた のに続き、新たな予測が加わりました。
市場調査会社Omdiaの予測では、2023年に発売されるというiPhone Flip(仮)は広げれば7.3~7.6インチ画面となり、スタイラスペンも使える可能性があるとのこと。競合他社であるサムスンのGalaxy S21 Ultra等は6.8インチでスタイラスSペンに対応して おり、7.3インチ以上であれば使いやすさに問題はないはず。
アップルが折り曲げ可能なディスプレイの特許出願をしてから 5年以上が経過している上にいくつもの特許を取得しており、社内で研究開発が進んでいることは公然の秘密といえます。逆に2023年まで「出ない」理由は、折り曲げ可能パネルの値下がりを待って本体価格を安く抑えるため、との説が有力です。
それに続いて折りたたみ画面の開発を、LGディスプレイが支援しているとの噂も伝えられました。サムスンに大量の折りたたみ画面サンプルの提供を要請したとの観測 からは意外な感はありましたが、アップルが部品の供給を一社に依存することを避け、複数のサプライヤーを競い合わせて値下げ圧力をかけるのはいつものことでもあります。裏返せば、そろそろ試作品の域を脱して製品の大量生産が視野に入っている時期かもしれません。
EveryThingApplePro/Max Weinbach
iPhone 12 Proシリーズでも期待されていた120Hz画面表示ですが、設定画面と称されるイメージも流出しながら 最終的には実現せず。それがようやく、2021年モデルに搭載されるとの噂話です。
結局2020年モデルで120Hz対応が見送られた理由は、ひとことで言えば「バッテリー持続と両立させるための省電力用のパーツ調達が間に合わなかったから」 でした。その鍵となるLTPO技術がついに搭載できる、というわけです。
LTPOとは、Apple Watch Series 4以降に搭載されたバックプレーン(回路基板/ディスプレイ上の個々のピクセルのオンオフを切り替える)技術のこと。それによりiPhoneでも可変フリレッシュレート、すなわち自動的に1Hz~120Hz表示を切り替えて滑らかかつ素早い反応や省電力を両立する見通しです。
つまりiPhoneを操作していないとき、1HzによりApple Watchのように常時表示できることにも繋がります。有名リーカー(注目の未発表製品にまつわる有力情報を発信する人)Max Weinbach氏いわく、現在開発中のデザインは簡素化したロック画面のようで、時刻とバッテリー残量、通知など最小限のカスタマイズしかできないとのことです。
ほぼ時を同じくして、アップルが60Hz~240Hzまでの可変リフレッシュレート特許を取得したことも明らかとなりました。すでにゲーミング用ディスプレイでは240Hzどころか360Hzといった製品もありますが、バッテリー搭載量に限りあるスマートフォンには荷が重いようにも思えます。実はiPhoneではなく、ウワサの高級MRヘッドセット を想定しているのもしれません。
Apple
現行のApple Watch Series 6搭載の血中酸素ウェルネスAppを心不全の早期発見に活用する研究が発表されていました が、こちらは数年前から噂されていた非侵襲性(採血のために注射針を刺す必要がない)の血糖値測定機能にまつわる特許が出願されていたというニュースです。
次期Apple WatchとサムスンのGalaxy Watch 4(仮)ともに同様の機能が噂されていますが、Galaxyの方はラマン分光法、すなわちレーザー光を(皮膚を通して血液に)照射して、組織の化学成分を明らかにするというアプローチです。
アップルの出願した「環境光センサーを用いたた性能向上による動的環境下でのテラヘルツ分光法とイメージング」なる特許も、基本的な原理はサムスン版と同じもの。ただレーザー光ではなくTHz(テラヘルツ)の電磁波を放出し、訓練された機械学習エンジンと組み合わせることで血糖値を推測できる仕組みです。
なぜ電磁波を使うかといえば、エネルギーが低くて(体内に影響する可能性ある)放射線ではないため。体組織への影響は、現在の携帯電話なみの熱効果しか生成できないといった安全性が事細かに説明されています。
アップルは「Apple Watch」とは一言も書いておらず、ブドウ糖や血糖値への言及もなし。特許文書では皮膚がんや皮膚疾患の検出など一般的な健康管理にも役立つと述べられていますが、先日うわさになった新たな「健康ハードウェア」 に関係があるのかもしれません。
2020年の最小モデルiPhone 12 miniは売上停滞が伝えられていました が、iPhone 13(仮)シリーズでも5.4インチのmini型は発売されるとの噂話です。
自らYouTubeチャンネルを持つJon Prosser氏は、iPhone 12 miniがひとまず需要を満たして生産停止される見通しに同意しつつ、必要に応じていつでも生産再開できると主張。そして2021年フラッグシップでも前年の3サイズ/4モデル路線は引き継がれてiPhone 13 mini(仮)も出ると述べています。
その代わり、2021年内にはiPhone SEの後継機(ないし大型版)は登場しないとのこと。アップルのインサイダー情報に詳しいアナリストMing-Chi Kuo も次期iPhone SEが今年前半に出る可能性は低いと何度も予測していましたが、5.4インチのフラッグシップ機と画面サイズが近く(4.7インチ)300ドルも割安、かつ新型コロナ禍のもとで「マスクしながら指紋認証」の強みを持つ廉価モデルとの棲み分けは難しいと判断されたのかもしれません。
次期iPhone SE Plus(仮) は6.1インチの液晶画面とA14 Bionic(iPhone 12シリーズと同じ)、第4世代iPad Airと同じく側面Touch IDを備えると予想されており、しかも価格が安く設定されればminiどころかiPhone 12とも共食いしかねない位置づけです。
中国ガジェットサイトGizchina はiPhone 11用の液晶画面の在庫をiPhone SE Plusで消化する可能性が高いと推測していましたが、iPhone 11はまだ公式ストアで販売中であり、そちらの売れ行きが一段落してから……という展開も予想されそうです。
台湾メディアの経済日報が、アップルが3月16日に新型iPad ProとiPad mini、失せ物追跡タグAirTags(仮)を一挙に発表すると報道。その記事では有名リーカー@FronTron氏のツイートが引用されていますが、経済日報は独自のサプライチェーン情報に定評があり、おそらく他にも根拠があると推測されます。
ここ数年のアップルは3月に新製品発表イベント開催を恒例としており(新サービスだけの年もありましたが)しかも3つの新製品が「3月に出る」ことに関しては多くの情報筋が一致していることもあり、異論を差し挟む余地は少ないはず。
しかし、BloombergのMark Gurman記者は、米MacRumorsの「スペシャルイベントは3月16日」説のツイートに対して正しくないと指摘しています。アップル未発表製品の予測に定評あるGurman氏の言葉は、かなりの重みがあります。