拝啓 麻生太郎財務大臣様 いまは海外にお金を配るよりも国内にお金を配ってくださいよ
麻生財務大臣108兆円の緊急経済対策から低所得国支援
最近は新型コロナウイルスへの政府対応が酷すぎて、論評することも辟易(へきえき)してきたが、今度はまたガッカリするニュースである。
事業規模総額108兆円の緊急経済対策予算でさえ、ほとんどが貸付や支払い猶予で、現金給付など財政出動が弱いことが明らかになっている。
国内の市民には頑なに現金給付の実施を避けて、限定的な給付や貸付で対処しておきながら、海外にはまた協力をするそうである。
低所得国への支援は重要である事は間違いない。
しかし、どさくさに紛れて、緊急経済対策に盛り込んで、支援することが国内の人々にどう受け取られるか。
あるいは、どんなメッセージ性があるのか、少し考えてもらえないだろうか。
麻生太郎財務大臣は国内の現金給付や現物給付を優先させるべき
世界各国が新型コロナウイルスと闘っており、大勢の人々が苦しんでいるなか、国際連帯をしながら封じ込めていくことは重要である。
この点について、全く異論はないし、低所得国にも甚大な被害が広がらないように、積極的に国際協調を保っていくべきだ。
ただ、日本が国内に困窮者が少ない先進国で、新型コロナウイルス対策に成功し、余裕がある状況であれば批判をするつもりもない。
麻生財務大臣は今の日本がどういう状況だか理解されているだろうか。
私たちの生活相談、労働相談など、生活困窮支援の現場には、毎日のように苦境に陥っている相談者から次々にSOSサインが出されている。
非正規雇用、フリーランス(自営業)を中心とした収入減、雇い止め、解雇によって、すでに生活ができないという声が多く寄せられる。
連日、ネット会議を通じて情報交換をし続けているが、その連携する労働組合やユニオンにも、対応が追い付かないほどの切実な相談が寄せられ続けている。
飲食業、接客業だけでなく、全産業に影響を及ぼしている実態も明らかだ。
政府の現金給付や補償が遅れている(5月中に実施予定という)うえ、対象にもならない可能性がある相談者は、すでに解雇、雇い止め、倒産、自殺企図、刑事事件(窃盗や無銭飲食)などに追い込まれ始めている。
つまり、市民生活、相談支援現場は日々、切迫感を増しているのだ。
私たちのような予算も不十分な民間支援団体、労働相談支援団体なども連帯して懸命に努力をするが、麻生太郎財務大臣を筆頭に、財務省の役割は、戦後最大の国難ともいえる状況に対して、市民生活や命を予算で救うことだろう。
国内の支援が不十分で、なぜ海外への支援への合意が得られると思えるのだろうか。
市民生活の実態は見えているのだろうか。見なくてもいいというならば、隠居されて適任者に役職をお譲りいただけないだろうか。
過去にも麻生太郎財務大臣の危機感に欠ける「謎の言動」を批判してきた。
彼の政治姿勢が市民生活に重要な影響を与えるため、批判せずには様々な支援が円滑に進んでいかないからだ。
長期戦の様相を見せてきているため、今後も財政出動は続々と必要になってくるだろう。
その際に現場に予算がこれ以上回らないことがないようにしてほしい。
麻生太郎財務大臣が現金給付をこれほど嫌う理由「現金給付は失敗だった。同じ失敗したくない」の謎
拝啓 麻生太郎財務大臣様 「みんな銀行にお金が余っている」いえいえ。みんな銀行にお金がありません
私たちは今後も、国内に暮らす市民の窮状を様々なツールを活用して伝えていくつもりである。
これらの情報も考慮して、財務省には市民が安心できる予算案、メッセージを国内に発信してほしい。
少なくとも、国内の窮状への手当を最優先に必死に取り組むべきである。