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企業の「内部留保」が巨額化していることが問題視されていますが、
この種の議論をやる際には会計的な定義を明確化するべきでしょう。
というわけで、わたくしは「内部留保」を語ったことがありません(設備投資や証券投資などに使われているから)。
わたくしが問題視するのは、企業の「現預金」です。
【日本の非金融法人企業の現預金(億円)】
http://mtdata.jp/data_68.html#gennyokin
日本の一般企業(非金融法人企業)の現預金額は、昨年9月時点で285兆円。額自体の大小ではなく、「第二次安倍政権発足以降、激増した」 という点が問題なのです。
2012年末と比較すると、一般企業は実に81兆4千億円も現預金を増やしています。 つまりは、人件費に回していない。
企業経営や会計をやっている人ならばわかると思いますが、給与とは、「企業が財・サービスを生産することで創出された所得の分配」 です。
給与を払う時点で、GDPが増えるわけではありません(公務員は除く)。 また、企業が設備投資を拡大した場合、支払いの結果、現預金は統計上、同じ経済主体である「別の企業」に移ることになります。
何を言いたいのかといえば、上記の「現預金の増加」は、単純に「企業⇒家計」という貨幣の分配が少なかったことを意味しているという話です。
12年末からの非金融法人企業の現預金の増加分が、全て人件費に回ったと想定すると、だいたい労働者一人当たり116万円ほど預金が増えた計算になります。
ちなみに、わたくしは「労働者 対 企業」といった対立構造で状況を捉えているわけではありません。別に、「労働者への給与を減らし、カネを貯めこむ企業はけしからん」 とも思っていません。
「内部留保課税」といった、私有財産権の侵害に対しても、断固反対します。 何しろ、企業の現預金が増えたのは、単純に「日本政府の政策の結果」なのです。
責められるべきは、企業ではなく政府です。 なぜ、企業の現預金がここまで膨らんでしまったのか。もちろん、円安による輸出企業の利益拡大などもあるのでしょうが、主たる理由は、「利益に対する罰金が
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Source: 三橋貴明氏ブログ