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チャンネルAJER『日本の少子化をくい止めるにはーその2ー(前半)』三橋貴明 AJER2019.10.22
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三橋TV第165回【病院が暇なのは、良い事だ】
中野剛志先生、 佐藤健志先生、施光恒先生、柴山佳太先生、
島倉原先生のMMT対談の続編がリリースされました。
『左派が反緊縮でなく「消費増税に賛成」する理由 「道徳」として語られてしまいがちな財政問題
◆MMTと左翼島倉原(以下、島倉):MMTの議論に賛同する学者は、
なぜみんな左派なんでしょうね。
佐藤健志(以下、佐藤):保守、ないし右派が新自由主義に走ったことに対抗したいのでしょう。
先進自由主義諸国では1970年代後半から「福祉国家路線など続けたら行き詰まる。
小さな政府で民活路線だ」という風潮が強くなった。
日本でもこれが「新保守(主義)」などと呼ばれ、のちの構造改革路線につながります。
そんな状況の下「大きな政府で社会保障と格差是正を」と主張したい左派が、
理論的基盤としてMMTを見いだしたのだと思います。
柴山桂太(以下、柴山):確かに、左派が「緊縮財政」に対抗する論理を模索するなかで、
MMTが出てきたという印象はありますね。
中野剛志(以下、中野):MMT派経済学者のビル・ミッチェルが「MMTはディスクリプティブ(記述的)な理論で、政治的な右左は関係ない」といっていましたが、
実際にMMTを唱えている人たちはこの本の著者のランダル・レイを含め、イデオロギー的には完全にリベラルです。
ただナショナリズムを強く出しつつMMTを語ることも可能で、MMTはニュートラルだそうですから、私はそっちのほうで語らせてもらっています(笑)(後略)』
後半、議論されている財政関連の「英語」が、実に興味深いのです。
償還(負債返済)が「redemption」。redemptionは、確かに償い、という意味も持ちます。
信用創造(=貨幣生成)は、money creation。 The creationは、「創成」「天地創造」です。
austerityは、わたくしは「緊縮財政」としか認識していませんでしたが、一般には厳格、禁欲といった意味もあります。
確かに、財政関連の英語は、宗教色というか、道徳色が強い。
つまりは、現象の表現ではなく、善悪の表現になっているわけです。
反・緊縮財政は、反・禁欲、つまりは、強欲。強欲といえば、悪魔マモンが統べる七つの大罪の一つです。
改めて日本語を見ると、償還は「償い、還す」であるため、宗教色・道徳色が入っています。
「償還」という言葉が江戸末期の造語の一つなのかは分かりませんが、いずれにせよ「redemption」の訳としては、実に適切という話になります。
緊縮は、「きつく締め、縮ませる」であるため、これは単なる現象の表現であり、宗教色・道徳色はありません。が、英語は「強欲の逆」というわけで、善悪の概念が入っている。
さすがに「強欲は善」という主張に賛同する人は、少なくとも表向きは少ないでしょう。となると、強欲を戒める「austerity (緊縮財政)」は、道徳的に正しいことになる。
緊縮財政は政策でも、理屈でもなく、実のところイデオロギー(主義)なのですね。 イデオロギーとは、人間の思考や行動を左右する、根本的な思考体系です。
理屈でも現実でもなく、「正しいから、正しい」というのがイデオロギーの特徴です。 無論、あらゆる人間は特定のイデオロギーと無関係ではいられません。「自分は自由にものを考えている」
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Source: 三橋貴明氏ブログ