31日のカナダ戦で組まれるオーダーは、稲葉監督の理想に限りなく近いものだろう。以下、打順を予想してみた。
1(中)秋山翔吾(埼玉西武)
2(遊)坂本勇人(巨人)
3(指)山田哲人(東京ヤクルト)
4(右)鈴木誠也(広島)
5(左)吉田正尚(オリックス)
6(一)浅村栄斗(東北楽天)
7(三)松田宣浩(福岡ソフトバンク)
8(捕)甲斐拓也(福岡ソフトバンク)
9(二)菊池涼介(広島)
菊池を2番に置くことも考えられるが、坂本が入ったほうが打線全体の破壊力が高まる。今季巨人で2番に入り、打率.312、40本塁打、94打点の成績を残した坂本ほど“最強2番”にふさわしい打者はいないだろう。
打線のポイントになりそうな左打者
もっとも理想はあくまで理想であり、短期決戦では調子やかみ合わせを含めて臨機応変に動くことが重要になる。そこで今回の侍ジャパンでポイントになるのが左打者だ。
上記スタメン予想では左打者が二人しかいない。秋山は1番で固定されることが予想され、もう一人の左、吉田の起用法や調子が打線全体に大きな影響を与えるだろう。
「(左がポイント?)どうですかね(笑)。自分の役割というか、ランナーがいなかったらチャンスメーク、ランナーがいたらかえすというバッティングを心がけていければいいかなと思います」
国際試合で毎回決まってテーマになるのが、“動くボール”や“重いボール”を操る外国人投手への対策だ。実際、稲葉監督はカナダ戦のポイントについてこう挙げている。
「外国人投手を打つのはこの2試合しかありませんので、その中でどうアジャストしていくか。この2試合でしっかりやってもらいたいと思っています」
その意味でも吉田にかかる期待は大きい。ボールを身体近くのポイントに引きつけ、卓越したスイングスピードと身体の捻転から生み出す力で強い打球を飛ばしていく。今季打率.322を残したように、アベレージの高さも持ち味だ。
外国人投手対策を聞かれた吉田は、こう答えた。
「早くアジャストして、かつ消極的にならずに。打席の中での修正だったり、対応だったりが大切だと思います。しっかり打席の中で甘い球を仕留められるようにというところですね」
個人的には菊池を外して山田をセカンドで起用し、球界屈指のコンタクト能力を誇る近藤健介(北海道日本ハム)を指名打者で起用しても面白いと考えている。カナダとの2戦目以降で稲葉監督がどんな使い方をするか、興味深く見ていきたい。