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人間は一人で非常事態(大災害、経済危機、戦争、医療崩壊など)に立ち向かうことができません。だからこそ、
人間は「今を生きる同じ国民として助け合う共同体」の単位として「国家」を形成します。
これを、横軸のナショナリズム(国民意識)と呼びます。
さらに、我々の生活は、過去の先人の努力の上に成り立っています。すでにこの世を去った先人に恩を返すことはできません。
だからこそ、我々は将来世代に、過去の先人から受けた恩を返さなければならない。
これを、縦軸のナショナリズムと呼びます。 図で表現すると、こんな感じです。
【縦軸のナショナリズム、横軸のナショナリズム】
ピンときた方がいるかも知れませんが、MMT(現代貨幣理論)は両軸のナショナリズムに沿った発想です。
国民の供給能力が十分であれば、「国民の安全保障を強化し、困窮した国民を救う」
ために、国債発行やOMFにより「貨幣」を発行し、政府は支出して構わない。
それが、経済のインフレ率を適正水準に保つのであれば、「むしろ積極的にやるべき」ということになります。
「インフレ率が高ければどうなるんだ!」 と、面倒くさいことを言う人が多いですが、そのときは官民挙げて投資を拡大し、
生産性向上のために国民一丸となって努力するのです。
高度成長期の日本人は、まさにこれをやった結果、我が国は世界第二の経済大国に成長したのでございます。
インフレを退治するため、あるいはデフレ下で苦しんでいる国民を救うため、
「(政府含む)国民が一丸となる」わけで、まさにMMTは横軸のナショナリズムです。
ちなみに、JGP(Job Garantee Program)は、
「失業率を引き上げ、国民を苦しめることでインフレを抑制するのではなく、雇用のバッファーを利用し、
インフレをコントロールしよう」 というわけで、まさに横軸のナショナリズム的な発想です。
同時に、MMTは縦軸のナショナリズムでもあります。
政府の支出や徴税は、あくまで「経済の均衡(予算の均衡ではなく)」を維持するために行われます。
なぜ、経済の均衡が必要なのかと言えば、もちろん「将来の成長」のためです。
そして、なぜ経済成長が必要なのかと言えば、自分たちはもちろん、将来世代をも含めて「豊かに、安全に暮らす」を実現するためなのでございます。
自分たちもそうですが、それ以上に子供たち、孫たち、その先の世代に「豊かで安全に暮らせる日本」を残すために、
現在の経済のバランスを追求するわけです。 というわけで、MMTは現在の国民はもちろん、将来の国民をも救う。
インフレ率の限界に突き当たるまで、政府は支出を拡大し、減税して一向に構わない。
インフレ率が高まったら高まったで、国民一丸となって生産性向上のために努力しようよ。
何が問題なんだ?
という話なのですが、なぜか日本ではMMTがなかなか受け入れられません。
何しろ、MMTは単なる「現代の貨幣の説明」であり、誰にも否定できないにも関わらず、
反射的に反発というか「嫌悪感」を表明するバカ愚者が少なくないわけです。
お前ら、今の国民や将来の国民が豊かになるのが、嫌なの? 経済成長を否定するの?
いや、彼らは経済成長を正面から否定するわけではありません。単に「政府の財政出動による経済成続きをみる
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Source: 三橋貴明氏ブログ