総理がらみの疑惑の渦中にある代議士の孫が誘拐された! 犯人の要求は前代未聞――「罪の自白」というものだった。
政界を舞台にした誘拐サスペンスである真保裕一氏の最新刊 『おまえの罪を自白しろ』 の魅力を、総理大臣経験者を父と祖父に持つ若手代議士で、政界きっての読書家である福田達夫氏が読み解いてくれた。
「真保さんの小説は昔から好きで、江戸川乱歩賞の受賞作『連鎖』や『ホワイトアウト』も愛読していました。どの小説でも、知らない職業のはずなのに、圧倒的リアリティで伝わってくるんです。『連鎖』の主人公は(当時厚生省の)元・食品衛生監視員で、汚染食品の横流しの真相を究明しようとする。私は今、自民党の農林・食料戦略調査会で、農産物輸出促進対策委員長をしているのですが、改めて感じるのは、真保さんの小説に描かれた『現場感』のすごさです。食品検査官の思考がどうしてここまでわかるのか、と。