川崎市・登戸の大量殺傷事件の犯人は、同市麻生区に住む岩崎隆一(51)と判明した。

 岩崎は両手に刺身包丁を持ち、小学校の通学バスを待つ小学生の列に襲い掛かり、女児ら18名を次々と刺した。自らも首を刺して病院に搬送されたが、ほどなくして死亡。現場には岩崎のものと思われるリュックサックが残されており、中からは複数の刃物が見つかった。

被害児童と同年代の少年が献花に訪れた 撮影:吉田暁史

 岩崎の自宅付近では、事件を起こす直前の姿が目撃されていた。近隣住民が証言する。

「朝7時頃、ゴミ捨てに出たときに向こうから挨拶されました。黒のジーンズに黒のポロシャツ、黒のリュックと全身黒ずくめの服装で、駅の方向に走りながら、何食わぬ顔で『おはようございます!』と声を掛けてきたので、こちらも挨拶をしました。表情は普通に見えました。会ったのはこれが2回目です」

事件後自害した岩崎隆一容疑者(51)の自宅 ©文藝春秋

 以前に岩崎は近隣トラブルを起こしている。同じ住民が続ける。

「前回会ったのは去年の今頃の時期です。私の家の庭に生えている木が目に入ると、朝6時頃に文句を言いにきた。すごい剣幕で、夫と30分くらい口論していました。その後、近所の方にどういう人なのか聞いたら、『変わっているから距離を置いている』などと話していたので、私たちも関わらないようにしていた」

 岩崎はこの家に「30年以上前から住んでいる」と周辺住民は証言する。

複数の人が刺され、救助作業が行われる現場付近。奥は登戸駅 ©共同通信社

「隆ちゃんは会社員だった伯父さんと専業主婦の伯母さんと一緒に暮らしていました。一時は仕事もしていましたが、最近は夜に出歩くなど、何をしているか分からない状態でした」(同前)

 神奈川県警多摩署は容疑者死亡のまま、捜査を進めている。