わずか2週間で政権交代…10代目行方不明で新ボス誕生 香川「お猿の国」 群れには乱れ
香川県土庄町の野生ニホンザルに餌付けをした観光施設「銚子渓(ちょうしけい)自然動物園『お猿の国』」で30日、2週間前にボスの座に就いたばかりの10代目「トラ」が行方不明となり新たなボスが誕生した。新政権には戸惑いが見られ、群れの秩序が案じられている。
銚子渓一帯に生息するA、Bの2群(計約500匹)のニホンザルのうち、歴代「トラ」が命名されるB群(約200匹)で、17日にボスとなった10代目が19日の確認を最後に姿が見えなくなった。
飼育員らは獣害対策用の捕獲わななどを調べたが見つからず、10代目周辺にいた強いメス3匹もいなくなったことを確認している。同園ではこれまで2番オスだった、しかも現在1匹だけとなったオスの大人(性成熟した)を11代目のボスとした。
サル山は交尾期だが、11代目はメスの求愛にあまり反応しておらず、群れの周囲に出没する離れオスを追い払う様子もない。実質的に群れを率いる強いメスもいないことと合わせ、同園では大人オスが6匹いるA群と比べて「しばらく群れにまとまりがなくなることが心配」と話している。