常に強気で鳴らしてきたカリスマ経営者、日本電産の永守重信会長(74)に異変が起きている。同じ関西の名門企業であるダイキン工業・井上礼之会長が主催する新年恒例の懇親会。今回、永守氏は急遽出席を辞退したという。
「井上氏が親しい取引先を招いての懇親会で、9歳年上の井上氏を尊敬する永守氏も毎年参加していました。ところが『今回は減収会見直後ということもあるので、遠慮したい』と連絡があったといいます。経営の深刻さを窺わせました」(財界関係者)
永守氏が緊急会見を開いたのは1月17日夜のこと。京都弁でこうまくし立てた。
「46年間経営やってきて、月単位でこんなに落ち込んだんは初めてや」
実質無借金経営を続けてきた日本電産。18年4~9月期も過去最高の純利益を叩き出していたが一転、19年3月期は減収減益になる見通しと発表したのだ。市場の驚きも尋常ではなく、「日本電産ショックで、輸出関連銘柄全般が一時軟調となった」(大手証券幹部)ほど。減収の主因は米中貿易戦争に伴う中国需要の急激な落ち込みだ。