『FAKE LOVE -Japanese ver.-』(BTS〈防弾少年団〉)/『Jealous』(東方神起)
◆
去年のことをいうと鬼が怒るかどうか知らぬが、2018年の商業音楽界において、色々な意味で誰よりも世間の耳目(じもく)を集めていた人気者といえば間違いなくBTSだろう。
そんな訳で、新年はどんな路線で行くんかいな? と。ミーハー気分も少し手伝って『FAKE LOVE』を聴いてみたくなった。
そこで、いつものようにとりあえずネット上のチェックを始めると、探し方が甘かったか、動画はあったものの日本語バージョンが見つからぬ。
とはいえ俺はkpopに関しては――音響的に――韓国語で歌われている方が“来る”といってきた人間である、そこは何の問題もないどころか、むしろこっちの方が楽しめる。早速の鑑賞開始とは相成った。
さて作品だが、まぁある意味従来通りというか、いわゆるヒップホップ以降のソウルミュージックのマナーにのっとった音だった。つまり、暗くドッシリとした重さを持ち、そしてトゲトゲしさもある。しかしまたポップミュージックならではのとっつき易さというか、最終的には決してシリアスな気分にはさせぬ落とし所も計算されていて、そこには、過剰な描写を売りものにする劇画/アニメなどの表現とも通底する美学の気配なども感じられたが、若者向けの娯楽にはますます“バイオレンスの昇華”に向けての作業における洗練が求められているのだなぁと、ふとそんなことも思ってしまった次第。
ちと話はそれるが、音楽ジャンルごとに言語との相性というのは――例はいちいち挙げぬが――やはりあるだろう。そうしたときに、韓国語は、発音における濁音や、破裂音の含有率が高い、いってみれば「響きの激しい」コトバだ。一方日本語はといえば、耳にもっと柔らかいものだろう。
後から日本語版もCDで聞いて、図らずも聴き比べをすることとなっての率直な感想を述べるなら、そしてこの『FAKE LOVE』の音の表わそうとするものは一体何なのか? それが“ハード”な、あるいはダークでも構わぬが、少なくとも決して可愛い、少年的な/純情な性愛の世界なんかではないとするならば、たとい俺には歌詞の意味は分からねど、サウンドとしっくり来るのは断然韓国版だった。コトバの響きに刺激的? というかドキドキさせられる不穏なものがあるのだ。
さて今回の動画を観ながらひとつ思ったのが、この韓国語で歌われている映像に、洋画の字幕よろしく、日本語の訳詞を入れてくれたらいいのにねェ、ということなのだったけれども、それは実はどんな国の音楽に対してもいえる話なのではあるまいか?
それこそアメリカ産のヒップホップなんか、いってることが分かったら、もう絶対にもっと面白いに決まってるじゃんさねぇ。違います?
あ! ひょっとして内容的に日本の公序良俗に反するのが多過ぎて無理(笑)かも。
東方神起。
俗にいう“中堅どころ感”出しまくってるよね!
今週の抱負「オレは世界進出を大目標にやっているからね。昨年もソロアルバム『超冗談だから』、LUNASUNとして『Organ Heaven』と立て続けにリリースしてきたけど、それもこれも目標に向かっての布石だからさ。モチベーションはまったく落ちてないね」と有言実行がモットーの近田春夫氏。「やりたいことは奇跡を起こすことだからさ!」