今年5月に新皇后陛下となる雅子妃殿下。ご療養が16年になったことから、果たして皇后として務められるのかという疑問の声もないわけではない。
だが、ご療養の中にあっても一進一退を繰り返されながら、その時々でご自分にできることをしっかりと務められてきた。2年前からはご体調が大きく上向かれ、公務先でもお出ましになる姿が多くみられるようになっている。
そして、今年は新年の一般参賀や新年の諸行事などを始め、7日には天皇皇后両陛下の御名代として、皇居・宮中三殿の皇霊殿で崩御から30年の節目となる「昭和天皇三十年式年祭」に臨まれた。雅子妃が宮中祭祀に臨まれたのは、平成28年4月の「神武天皇二千六百年式年祭」以来、3年ぶりのことだった。
年末から新年にかけて、皇室は1年で最も忙しい日々が続く。さらに今年は改元ということもあり、雅子妃のお出ましも続いている。
16年にわたる闘病のなかで
「妃殿下は、ご体調を整えられる努力をされて臨まれています」と東宮職が語るように、お出ましになっているその裏では、病気と向き合われている姿があった。
雅子妃が療養生活に入られたのは03年のこと。あれから16年も……、と思う人もいるだろうが、適応障害を患っている人の中には、同じような年月の中で苦しんだり、悩んでいたりする人もいる。また、雅子妃の場合は、皇室の中でご病気になったが、その同じ環境の中で治していかなければならないという難しさがある。
精神疾患には、患者の努力も必要だが、治療のサポート態勢も重要と言われる。雅子妃の場合、皇太子と愛子内親王が献身的に支えてこられた。また、雅子妃がご病気になる前から現在に至るまで、陛下からもお守りいただいてきたことや皇族の方々にも支えられてきたことは言うまでもない。