水産庁VS外務省、捕鯨めぐり攻防 最後は政治決着
国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退決定をめぐり、日本は反捕鯨国との根深い対立に加え、政府内では捕鯨政策をつかさどる水産庁と、国際協調を重んじる外務省との間で激しい駆け引きがあった。「IWCは機能不全」と主張する水産庁に対し、「国際的信頼を失う恐れ」と抵抗する外務省。「IWC脱退を決め、捕鯨もやめるのはどうか」との外務省側の意見も飛び出したが、最後は政治決断での決着となった。
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商業捕鯨モラトリアム(一時停止)の解除は「ほぼ不可能」と判断した水産庁は今春ごろから、脱退を視野に入れた本格的な折衝を始める。
(1)反捕鯨国は政治的立場からいかなる捕鯨にも反対
(2)クジラを諦めればマグロなどの水産資源も同様の危機
(3)調査捕鯨の継続は困難-などの理由を掲げ、脱退して、捕鯨推進国を中心に新たに「第2IWC」を作るべきと訴えた。
外交交渉で矢面に立つ外務省はこの動きに抵抗し、官邸や与党議員への説得工作を本格化させた。
真っ向から反対姿勢はとらないものの、
(1)国際機関から脱退することは国際社会に背を向ける
(2)東京五輪や即位の礼、(大阪開催の)20カ国・地域(G20)首脳会議へ影響をもたらす
(3)国連海洋法条約違反で提訴されるリスクがある-などと訴え、IWC脱退後の否定的側面を強調した。
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12月に入っても、「脱退の猶予期間をおくべき」などの意見も出た。しかし、最終的には、ほぼ水産庁側の主張通りに押し切られた。長らくIWC総会や政府内協議で交渉に携わってきた関係者は、「自民党の捕鯨推進派が決定打を与えた」と評した。
https://www.sankei.com/politics/news/181226/plt1812260036-n1.html
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Source: U-1