「告白の目的は死刑執行の引き延ばしで、信用できない」
死刑確定後に2件の殺人を告白し、殺人罪に問われた指定暴力団住吉会系元会長、矢野治被告(69)の裁判員裁判で、東京地裁は12月13日、無罪(求刑・無期懲役)の判決を言い渡した。
矢野は、(1)1996年に住吉会系元幹部ら3人と、神奈川県伊勢原市で不動産業者を殺害(2)98年に東京都豊島区で不動産会社社長を殺害したとして起訴されていた。
法廷に現れた矢野は短髪をオールバックにし、上下黒の服装にサンダル姿。傍聴した関係者は「トレーナーには男が拳銃を構えたようなデザインが施されていた。普通の神経なら、殺人事件の判決で着てくる服装ではなく、目を疑いました」と話す。
矢野は2003年、前橋市のスナックで銃を乱射して4人を殺害したとして14年に死刑が確定していた。その後、前述の殺人について「週刊新潮」に手紙を出し、記事化されたことで警視庁が捜査に着手。元配下組員の証言などから2遺体が発見された。