「僕は昭和32(1957)年生まれで、国産プラモデルの一歳年上なんです。小学校に上がるころには、プラモ作りは男の子にとって通過儀礼みたいなものになっていました。僕もゼロ戦からガメラまで何でも作りました(笑)

と、この度『日本プラモデル六〇年史』を上梓する小林昇さんは語る。愛媛県に日本で最初の石油コンビナートが作られた1958年、その石油から生まれたプラスチックモデルがはじめて国産化され、今年で60年。小林さんは勤務先の出版社の退職を機にその歴史をまとめた。

「仕事を通じて田宮模型はじめ業界の方々とお付き合いするようになったのですが、編集したプラモデル関連の本にも入れられなかったエピソードがたくさんありました。この機会に全体を見通せる通史を自分で執筆したいな、と」

プラモデルはこの60年間に食玩やフィギュアなど、かたちを変えながら発展し続けているという。

ゲームの“艦隊これくしょん”やアニメの“ガールズ&パンツァー”といった、美少女とのコラボ作品で、新しいプラモデルファンたちが生まれています。懐かしさで本書を手にとった方も、ぜひまたプラモデルに挑戦してほしいですね」

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2018年12月20日号)

小林昇さん