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『帝国対民主国家の最終戦争が始まる(後篇)①』三橋貴明 AJER2018.11.6
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三橋TV第24回【TVが報じない水道民営化の真実】
パリを中心に全土で混乱が続くフランスでは、マクロン政権がとりあえず譲歩。燃料税の引き上げを延期しました。
『「大統領にも貧しい生活を」デモに屈した仏政権
https://www.yomiuri.co.jp/world/20181204-OYT1T50121.html
フランスで燃料税増税に反対するデモが激化する中、マクロン政権が増税の延期を決めた。
改革路線を掲げて当選したマクロン大統領だが、デモの圧力に屈した形で、
支持率低迷にあえぐマクロン氏がさらに求心力を低下させるのは避けられないとみられる。
パリのシャンゼリゼ通りでは4日、クリスマス用の飾り付けが施された店舗の前で、観光客が記念撮影をしていた。
客足はまばらで道路には暴徒化したデモ参加者が投げたものとみられる拳ほどの敷石が散らばっていた。
抗議デモは参加者が路上作業用の黄色いベストを身に着けることから「黄色いベスト運動」と呼ばれ、11月17日以降、土曜を中心に断続的に行われている。
「大統領にも我々の貧しい生活を味わってもらいたい」。1日の大規模デモに参加した男性は仏メディアのインタビューに訴えた。』
Ifop・フィデュシアルの世論調査(4日)によると、マクロン大統領の支持率は23%と、先月の調査から6%ポイント低下。
フィリップ首相の支持率は10ポイント低下の、26%となりました。
マクロン大統領の支持率は、「歴代最低」であった13年のオランド大統領と並びました。
ただし、燃料税増税は「延期(六か月)」であり、凍結というわけではありません。
さらに、燃料税以外の緊縮財政(&富裕層優遇)は変わらず、基本的なグローバリズムのトリニティ路線は変わっていないのです。
フィリップ首相は、「いかなる税も国家の団結を脅かすには値しない」 と語りましたが、
だからと言って凍結や減税をしたわけではありません。
ルペン国民連合党首は、フィリップ首相と会見した際に、「マクロン氏が選択した戦略としての対立に終止符を打つ」
ことを求めたとのことです。
つまりは、グローバリズムのトリニティを転換せよという話でございます
ところで、仏ルメール経済大臣は、フランスの低所得層の消費低迷が問題であると認識した上で、解決策として、
「公共支出の削減と、全体の税率の引き下げ」 が必要と強調しています。
つまりは、「家計簿」脳なのでございますね。
公共支出を削減したら、その分、誰か別の国民の所得が減ります。
つまりは、公共支出削減と減税は、「公共支出関連で働く国民の所得を、減税される層に付け替える」 だけの話であり、
フランスの「国民経済」の解決策にはなりません。 あるいは、記事のラスト、フランスのメディアのインタビューに答えた男性、
「大統領にも我々の貧しい生活を味わってもらいたい」
この種のルサンチマンに応え、マクロン大統領が貧乏になったとします。
貧乏になったマクロン大統領は、当然ながら支出を切り詰める。
すると、それまでマクロン大統領の支出から所得を得ていた国民が貧困化する。
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Source: 三橋貴明氏ブログ