北方領土をめぐる河野太郎外相(55)の発言が大きな波紋を呼んでいる。11月22日の記者会見で

「北方4島は我が国固有の領土とお考えか」と問われた際に「政府の考えを申し上げるのは一切差し控えたい」と答えたからだ。

外務省担当記者が語る。

「2島返還論に傾く安倍首相の1月訪ロを控えて口をつぐんだのでしょうが、外務大臣が北方領土を『固有の領土』と言えないなど前代未聞です」

毎年2月7日の「北方領土の日」に行われる北方領土返還要求全国大会には、もちろん河野外相も出席していた。

「河野外相は『日ロ平和条約締結は祖父・一郎の世代から引き継いだ最も重要な外交課題』と語ったうえで、『北方領土は我が国固有の領土。4島にかける国民の想いを明確に示し続けることが重要』と断言していた」(同前)

だが日ロ交渉で、外務省は蚊帳の外に置かれている。

「安倍首相の懐刀・今井尚哉秘書官を中心に官邸が進めています」(政治部記者)

秋葉剛男外務事務次官も官邸外交の駒の一つのような扱いで、先のシンガポールでの日ロ首脳会談に同席させられたことを指し、同省関係者は「次官も官邸に取り込まれた。情けない」と嘆息する。