２年連続８度目のセ・リーグ優勝を決め、胴上げされる広島の緒方監督＝１８日、甲子園

　九回2死、代打伊藤隼の飛球が遊撃田中のグラブに収まった。それを合図に、マウンド付近に広島ナインの真っ赤な歓喜の輪ができた。5月6日に9点リードから逆転負けを喫した甲子園で連覇。11度、宙を舞った緒方監督は「頼もしいやつらだ、本当に！」と声を張った。

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息詰まる展開で、七回を託された2番手の一岡が代打陽川に同点ソロを浴びた。だが、八回無死から菊池と丸が四球で出塁。1死後にバティスタが左前に運び、決勝点をもたらした。

「石井打撃コーチから桑原は外に多く投げてくると聞き、コンパクトなスイングを意識してたたいた」。今年6月に育成選手から昇格した長距離砲が、大事な試合で5番起用に応えた。

攻撃陣は定位置争いの中で安部、松山らが力を上げた。その圧倒的な攻撃力に支えられ、薮田が14勝、岡田が12勝を挙げるなど若い投手陣も力をつけた。「今年は一人一人が自信を持ってやっていた。全員の勝利だ」。来日6年目のエルドレッドはチームの成長を指摘した。

「こっちが求めていることを当たり前のようにやってくれる。2年連続で優勝するってことはすごいこと。それが一番の成長でしょう」と指揮官。マジック1としてから逆転負け、台風で中止と少し足踏みしたが、強さは揺るがなかった。