津軽平野の夜空を彩る「五所川原立佞武多(たちねぷた)祭り」が4日夜、青森県五所川原市で開幕した。高さ約23メートル、重さ約19トンの大型ねぷた3台を含む計17台が市中心部を練り歩き「ヤッテマーレ!」の掛け声が街中に響いた。8日まで。
午後5時半ごろ、「立佞武多の館」の扉が開かれると、巨大な立佞武多が次々と姿を見せた。開会式では、五所川原商工会議所の山崎淳一会頭が「今年は運行20年の節目。この立佞武多の雄姿をこれからもしっかりと次の世代に引き継ぎでいきたい」とあいさつ。先頭の山車が動き始めると、浴衣衣装の踊り手「ハネト」たちが街中を踊り歩いた。7階建てのビルに匹敵する大型ねぷたの迫力に、集まった人々が顔を真上に向け歓声を上げた。
今年の大型ねぷたの新作は「纏(まとい)」。2度の大火から復興した五所川原の不撓(ふとう)不屈の精神を、火事場でまといを振る火消しの勇壮な姿で表現したという。
五所川原市の会社員、川浪恵美子さん(54)は「新作は前はもちろん素晴らしいが、(背面の)送り絵の力強い赤い炎が夜空に映えて美しい。通り過ぎた後の後ろ姿もぜひ見てほしい」と話した。【北山夏帆】