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10.30 日本保守党結党宣言「日本を豊かに、強く!」デイリーWILL編集長・山根真

日本保守党結党宣言

「日本を豊かに、強く!」

「デイリーWill」編集長 山根真

WILL 2023年12月号より

会場を包む異様な熱気

その正体は「怒り」と「愛国心」か

 

伏線は張られていた?

日本保守党の快進撃が止まらない。 数字がその勢いを物語る。X(旧ツイッター)アカウントのフォロワー は三十万超。自民党を一瞬で追い抜いた。党員数も五万人に迫ってい る。

こちらは党員募集開始から一週 間にして、日本維新の会を上回った。 そんな日本保守党が十月十七日、 東京都内で結党会見を開いた。会場に 詰めかけたメディアの前に姿を 現したのは三名。代表の作家・百田 尚樹氏、事務総長のジャーナリスト・ 有本香氏、荒川区議・小坂英二氏である。

会見の冒頭、百田氏が結党宣言を読み上げた。

「日本ほど素晴らしい国はないと私 は断言します。 神話とともに成立し、 以来およそ二千年、万世一系の天皇 を中心に、一つの国として続いた例 は世界のどこにもありません。これ 自体が奇跡といえるでしょう」

「その日本の海が、 山野が、いま脅 かされようとしています。日本の文化や国柄、ナショナル・アイデンティ ティが内側から壊されかかっていま す。これらを座視していてはなりま せん。断固として日本を守る。 その ための新たな政治勢力が必要です。」 「日本を豊かに、強く」。皆さん、こ れを合言葉に、ともに歩んでいきま しょう」

結党宣言は「日本国紀』(幻冬舎)を 想起させるものだった。作家・百田 尚樹と編集者・有本香がタッグを組 み、平成最後の年に世に送り出した ベストセラー。いま振り返れば五年 前、新党結成の伏線は張られていた のかもしれない。

その後、記者たちに「重点政策項目」 が記されたペーパーが配られた。日 本保守党が優先的に取り組むべき三 十七項目の政策が、ここで初めて明らかとなる。 皇統を守るための皇室典範改正、憲法九条改正、スパイ防 止法制定、消費減税、移民政策の是正、 再生可能エネルギー政策の見直し ……………。自民党政権が長年にわたり店 ざらしにしてきた課題がズラリと並 んでいる。

自民党を支持していた保守層を丸 ごと奪ってやる。 そんな気概が 感じられた。

国益を考えたら極右なのか

その後、 有本氏の口から“サプライ ズ〟が飛び出す。名古屋市長・河村 たかし氏が率いる地域政党「減税目 本」との“特別友党関係〟締結を発表。 河村氏が日本保守党の共同代表に就 任したことを発表したのだ。

有本氏いわく「私たちに欠けているのは政治の体験や実績」。その穴を埋めるために、四十年の政治キャリア 河村氏に連携を持ちかけたという。

名古屋から駆けつけた河村氏も 途中参加した。河村氏は二千五 万円だった市長の給料を八百万円 下げることを公約に掲げて当選した。

■“日本一給料が安い市長として 知られる。

自身の給料だけでなく、市職員の 開料も一割カット。身を切る改革” により捻出した財源をもとに、市民 を毎年百億円ずつ減らしている。税により市民の可処分所得が増え、 収は二千四百億円も増えたという。 税日本」のスタンスは日本保守党 重点政策にも反映されている。

会見では議員の家業化に焦点が たった。議員歳費の引き下げは日 保守党の重点政策にも組み込まれている。

河村氏は言う。

「私は四十年にわたり政治をやって きたが、ウソに包まれた、金儲けの ことを考えている政治家ばかり。真 の民主主義を実現して、強い国民を つくりたい。そのために議員の家業 化をなんとしてもストップさせる」 百田氏も河村氏に同調する。

各所に配慮した結果、利権という重 しがつけられている。我々は国民の 生活を考えられる政党を目指す」

「親子だけでなく親戚も含めると、 半分近くの国会議員が世襲じゃない か閣僚に選ばれるのは当選回数が 多い議員。そうなると、政党の幹部 クラスは世襲議員になってしまう。これでは、マトモな政治ができない」有本氏は既存政党との違いをア ビールした。

「自民党と最も違う点は、私たちが 庶民出身だということ。“国民政党”  を自称する自民党には思想がない。各所に配慮した結果、利権という重 しがつけられている。我々は国民の 生活を考えられる政党を目指す」

記者との質疑応答のなかで、会場 が静まる瞬間があった。フランス人 女性記者が片言の日本語で、「日本保 守党は極右なのか?」と質問したのだ。 有本氏はすかさず答える。「極はどこにあるのか。真ん中は 誰が決めるのか。はっきりとした基 準がないまま色をつけられても困る。 極右政党〟という言葉をよく聞くが、 極左政党はあまり耳にしない。 政 策の中心を国益に置くことは極右で はないと思います」

百田氏が続ける。 「極右政党だという噂をいったい誰 が流しているのか。聞いたことがありません」

記者たちから質問が相次ぎ、一時間を予定していた会見は間を予定していた会見は一時間半に及んだ。

熱気に包まれた会場

記者会見の一時間後、会場を移し

結党バーティーが開かれた。五百枚のパーティー券は発売後、一時間で完売したという。チケット争奪 戦を勝ち抜いた五百人の党員が集まった会場は、異様な熱気に包まれていた。

百田・有本両氏と親交が深い著名人らがパーティーの合間、壇上からエ―ルを送った。

ジャーナリスト・門田隆将氏は自 党への怒りをぶつける。

「このままでは日本がダメになる。それをわかっている人たちが今日、 ここに集まっている。今の自民党は 左翼リベラル化してしまい、かつて の自民党とはまったく違う。だから こそ、百田さんと有本さんに期待し ている」

評論家・石平氏は新党への期待を 込めた。

「日本保守党の誕生という大事件が 起きた。習近平は今夜、眠れないは ずです。習近平を倒しましょう!日本を守りましょう!」

イスラム思想研究者・飯山陽氏は 党員に語りかける。

「保守とは何か。 難しく考える必要 はありません。 大事な家族がいたり、大事な場所があったりする。それを守りたいと思ったら あなたは保守なんです」

最も盛り上がったのは、百田氏の “政権奪取”宣言だ。 「一年や二年で政権与党になれると は思っていません。しかし、今やら ないと五年先、十年先の日本は 私も六十七歳。そんなに長くは生き ないと思います。私がやるべきは、 三年くらいで日本保守党の土台をつくりこの党を任せられる素晴らし 人材を発掘することです。彼らを 後ろ からサポートしながら、いずれ十年 後、いや十年以内に政権与党になります!」

原動力は怒りと愛国心

日本保守党が打ち出した政策、会場を包む異様なまでの熱気。思い起こされるのが”トランプ 現象〟で ある。

「泡沫候補」扱いされていたトラン プ氏を大統領に押し上げたのは、ア メリカ国民の“怒り”と“愛国心”だっ た。オバマ政権の弱腰外交により、 アメリカは国際社会での存在感を 失っている。移民の大量受け入れに より、アメリカ文化が変質している。 腐敗した官僚機構により、国民の生 活は無視されている。このままでは アメリカがアメリカでなくなる。

アメリカ国民の危機感を背景に、ト ランプ氏は大統領にまで上り詰めた。 トランプ氏の口癖が「アメリカを 再び偉大に」なら、日本保守党の合言葉 は「日本を豊かに、強く」。百田氏とトランプ氏がオーバーラップするのは、彼らがともに“暴言王だからだけではない。

保身しか頭にない国会 議員、省益だけを追い求める官僚、 金の亡者と化した財界人。 日本保守 党の綱領、重点政策からは、エスタブ リッシュメントへの怒りが感じら れる のだ。 安倍総理の死後、自民党は音を立てて崩れていった。百田氏いわく、 そこから姿を現したのは「腐り切った リベラルの正体」だという。極めつき LGBT理解増進法。 岸田政権に は日本の舵取りを任せられない。とはいえ、野党が政権を握るのもあり 得ない。このままでは日本が日本で なくなる。みずから立ち上がるのは、時間の問題だったのかもしれない。

稀代のストーリーテラーが政界に 殴り込む。そこに筋書きはない。 メ―クドラマを期待する。

 

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