木原誠二前官房副長官(53)の妻X子さんの元夫が怪死した「木原事件」。2006年4月の事件発生当初は不審死とされたこの事件は、2018年に再捜査が開始されたが、それも突如として中断。それから今に至るまで、警察が捜査に動き出す兆しは見えない。
そんな中、亡くなった安田種雄さん(享年28)の遺族が、ついに刑事告訴に踏み切ることが「週刊文春」の取材で分かった。
告訴趣旨は「被疑者不詳の殺人」
告訴状は10月18日付。告訴人は安田さんの父母、姉2人の4人で、告訴趣旨は「被疑者不詳の殺人」だ。告訴状は、事件発生当初の捜査を担当した警視庁大塚署に提出される。
「木原事件」については、X子さんの取調官だった佐藤誠元警部補が実名で「週刊文春」の取材に応じ、木原氏が「手を回しておいたから」とX子さんに語りかける様子が映ったドライブレコーダーの存在について証言するなど、異例の経過を辿ってきた。警察側は、トップの露木康浩警察庁長官が7月13日の会見で「事件性が認められない」とコメントするなど「他殺ではなく自殺」という主張を貫いているが、「週刊文春」はこれまで、独自に入手した当時の捜査メモや佐藤氏の証言から、自殺とするには多くの矛盾が生じることを報じてきた。
「種雄が亡くなったことは、私たち家族にとって、一生の問題」
今回提出される告訴状が受理されれば、警視庁は捜査を尽くし、その結果を検察庁に報告しなければならない。つまり、事件性がないと主張するのであれば、自殺である証拠を揃えなければならないのだ。
安田さんの遺族が語る。
「2018年に始まった再捜査が突然止まったとき、私たちは絶望しました。今度こそ捜査を尽くし、犯人を見つけ出してほしい。種雄が亡くなったことは、私たち家族にとって、一生の問題なんです」
10月18日(水)正午配信の「週刊文春電子版」ならびに10月19日(木)発売の「週刊文春」では、遺族が語った木原氏への思いや、刑事告訴の準備のために一家で起こしていた「ある行動」、事件発生当初の警察側とのやりとりの音声テープに残された「他殺である根拠」など、4ページにわたって詳報している。