日本維新の会と立憲民主党「完全対決」へ 維新「野党第一党」奪取の意思明示化 立民・泉代表、岡田幹事長の対抗馬擁立へ
日本維新の会が、立憲民主党との〝完全対決〟に踏み切る。次期衆院選で、立民の泉健太代表と、岡田克也幹事長の選挙区に対抗馬を擁立する。維新は、立民との国会での共闘関係を凍結し、立民側も「関係解消」を示唆するなど対立が深まっていた。維新としては、立民幹部に刺客を放つことで、次期衆院選で「野党第一党」を奪取する姿勢を明確にするようだ。
産経新聞の24日朝刊によると、泉氏の衆院京都3区には40代の男性会社社長を、岡田氏の同三重3区には50代の元市議の男性を公認候補として擁立する。24日にも発表し、選挙協力や「すみ分け」の観測を完全に断ち切るという。
維新は、4月の統一地方選などで躍進し、地方議員や首長は780人近くに達した。将来的な政権獲得を視野に、次の衆院選では全289選挙区に候補者を擁立して野党第一党の獲得を狙う。
現在、候補者選定を急いでおり、出馬希望者を対象に3回開いた説明会には約300人、6月開講の「維新政治塾」にも約500人の応募があったという。
維新と立民は、昨秋の臨時国会から政策協調を行い、共闘関係を築いていたが、政党支持率の低迷から立民は左派系主導の「反対」路線に回帰し、岸田文雄政権に是々非々の姿勢で臨む維新党内では違和感が膨らんでいた。
こうしたなか、衆院憲法審査会を念頭にした立民の小西洋之参院議員の「サル・蛮族」発言について、維新の馬場伸幸代表が激しく批判し、立民との共闘関係を凍結した。
その後も、国対戦術をめぐり、両党が「昭和の国対」「自民の金魚のフン」と応酬するなど、対立が浮き彫りになっていた。