外国人の送還や収容のルールを見直す入管難民法(出入国管理及び難民認定法)の改正作業が〝佳境〟に入った。
2021年4月、当時の菅義偉政権が同法改正に挑んだものの、野党と大メディアのミスリードで頓挫した。その再チャレンジである。
2年前は、不法滞在で摘発され送還が決まっていたスリランカ人女性が、収容施設で死亡するという不幸な一件を、野党とメディアが徹底的に政治利用した。
悪辣(あくらつ)な入管、不幸な女性…という構図を描き、入管難民法改正は「悪」と決めつけたネガティブキャンペーンにより、菅内閣は支持率を大きく落とす事態にまで陥った。
今回、岸田文雄内閣は修正案を野党に提示した。ソフトランディングを狙っているが、野党は再び、一部メディアと組んで、徹底抗戦を仕掛けてくるだろう。この抗戦を今回は、国民の良識で迎え撃つ必要がある。
そもそも、国民の多くが「なぜ入管難民法改正が必要か」を理解していない。だから、2年前にはまんまと騙されてしまった。同じ轍を踏まないよう、改正趣旨の「キモ」を概説しよう。