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5.9 室谷氏「尹政権支援悪くないが…国立墓地参拝はおかしい」 歴史問題めぐる岸田首相の「配慮」に不安 日韓首脳会談 

歴史問題めぐる岸田首相の「配慮」に不安 日韓首脳会談 室谷氏「尹政権支援悪くないが…国立墓地参拝はおかしい」 

岸田文雄首相は8日昼、韓国訪問を終えて帰国の途に就く。7日の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領との日韓首脳会談では、未来志向で関係を進化させる方針で一致したが、いわゆる「元徴用工」訴訟問題を含む歴史問題について「心が痛む」と述べるなど韓国への「配慮・譲歩」が目立った。識者2人に、岸田訪韓を分析してもらった。

「中国や北朝鮮に対峙(たいじ)する戦略としては良かった。来年の韓国総選挙や、2027年の大統領選で保守派が負けると、韓国は完全に左翼政権になる。それを防ぐためには保守派の尹政権をテコ入れすべきで、今回のサービスは韓国の世論向けには悪くない」

韓国事情に精通するジャーナリストの室谷克実氏はこう語った。

日韓首脳は会談で、覇権主義的な行動を強める中国を念頭に、インド太平洋地域の安定化に向けた連携を強化する方針で一致した。東アジアの安全保障環境の悪化を踏まえた決断といえる。

ただ、岸田首相は、1965年の日韓請求権協定で、「完全かつ最終的に解決」している「元徴用工」訴訟問題を含む歴史問題に言及して、「当時の厳しい環境の下で多数の方々が大変苦しい、悲しい思いをされたことに『心が痛む』思いだ」と述べた。

朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏は「岸田首相が過去について謝罪めいたことを言っても、韓国人の誤った歴史観を補強するだけで、日韓関係改善の役には立たない。むしろ、韓国側の『謝罪にもならない』というような批判を招くだけだ。岸田首相は『解決済み』ということをはっきりと言うべきだった」と批判する。

今回の首脳会談では、韓国海軍駆逐艦が海上自衛隊哨戒機に射撃用の火器管制レーダー照射した事件については言及がなかった。

松木氏は「韓国が日本を『仮想敵国』と警戒しているからレーダー照射事件は起きた。岸田首相は『両国の信頼関係を高めるために納得のいく調査をしてほしい』と要望すべきだった。韓国が日本に持っている警戒心を解くことが、日韓協力達成のため必要だ」と話した。

岸田首相は今回、日本統治時代の独立運動家や朝鮮戦争の戦死者らが眠る国立墓地「顕忠院」で献花まで行った。

室谷氏は「岸田首相は靖国神社に参拝していないのにもかかわらず、韓国の国立墓地に参拝した。韓国は靖国神社について『A級戦犯が祀られている』というが、韓国の国立墓地には、ベトナム戦争での民間人虐殺が指摘される元韓国兵が眠っている。そこには行ったのに、靖国神社には参拝しないのはおかしいのではないか」と語った。

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