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2023年4月21日号:「ニュースに一言」「百田尚樹のテレビでは伝えられない話」

2023年4月21日号:ニュースに一言

2023-04-21 12:423

●コロナが一段落し、全国の観光地に旅行客が戻って来ているようです。京都にも外国人観光客が多数訪れ賑わいをみせています。いまのところアメリカやオーストラリア、香港などからの来日が多いようでみなさん穏やかに日本を楽しんでいますが、5月8日の水際対策撤廃により、また中国人観光客が大挙して押し寄せ、街が騒がしく汚くなくなると思うと憂鬱な気分になります。

旅行者は外国人だけではありません。日本人も巣ごもりをやめ各地に繰り出すようになりました。その後押しとなっているのが国の推し進める「全国旅行支援」ですが、一方でお金が足りないから社会保険料を上げると言っておきながら、すべての国民でなく一部の個人旅行に国が援助金を出すという極めて不公平なものに税金を使う施策には違和感しかありません。
コロナ禍で時短や休業を要請した飲食店には協力金という名の多額の“税金”が注ぎ込まれ、中には通常営業より利益増となったところもあったようです。それに対し、旅館や土産物屋には何の支援もなく開店休業状態で赤字が膨らむばかりでした。百歩譲って今度は旅行者を増やして観光業者を助けるためと言うのならまだ我慢もしますが、割引条件に未だに“ワクチン3回接種”とあるのだけはどう考えても納得できません。ワクチンで感染が予防できないことは「全国旅行支援」を企画したときから分かっていました。さらに3月にはWHO(世界保健機関)までがワクチンの効果に疑問を呈し、3回以上の接種を推奨しないと打ち出しているのにです。
ワクチンを大量に買い込んでおりなんとかさばかなくてはならない、あるいは製薬会社にこれからも継続購入すると約束しているからやめるわけにはいかないのかは知りませんが、メリットよりデメリットの方が大きい代物を国民に強いる政府にはうんざりです。今日もテレビからは「ワクチン打て、打て」のCMが流れてきます。これはどうみても「旅行支援」ではなく「ワクチン支援」です。
●兵庫県警加古川署が署内に安置していた男性の遺体を取り違え、別の遺族に引き渡していたというニュースがありました。これは霊安室の上下2段構造の冷蔵庫に安置されていた66歳と69歳の2人の男性うち、上段の66歳の男性のお迎えが来たのにもかかわらず下段の遺体を引き渡してしまったものです。
いったいどんな管理をしていたらこんな間違いが起きるのかと思ったところ、なんとこの2人は偶然同じ名字だったというのです。遺体が納められた袋には氏名が記載されていましたが、係員は名字だけを見て「これだ」と判断したようです。我々一般人が接触する“遺体”はほとんどが親族ですので、他人のそれには少なからず緊張が伴うものです。しかし、日常的に遺体を目にする霊安室の職員にはそれが欠けていたのかもしれません。仕事にはミスがつきものとはいっても、対象が「ご遺体」だけに慎重の上にも慎重を重ねてもらいたかったものです。
1週間後に捜査員が霊安室に入った際、下段の冷蔵庫が空になっているのを不審に思い確認したことで取り違えが発覚しましたが、その時には引き渡した遺体は既に火葬されていたそうです。ここで解せないのは、違う人間を引き取った遺族が顔を見たら一目瞭然なのになぜ間違いに気付かず荼毘に付してしまったのかということです。まさか納体袋を開けることなくそのまま火葬場に運んだのか、あるいは引き取り手は顔さえはっきり分からないほど疎遠な親戚だったのか、いずれにせよ故人が深い悲しみに包まれた葬儀で見送られることはなかったでしょう。さらにもう1人の方は引き取り手さえ現れず。
今回の60代男性は2人とも自宅で死亡しているところを見つかりました。どちらも病死と判断されています。人生最後の瞬間を誰にも看取られずたった1人で、そして葬儀さえ満足に執り行われず。彼らの人生を考えると、なんともやるせない想いでいっぱいになるニュースでした。
●バスやタクシーの車内に設置されている運転者の名札がなくなるというニュースがありました。国土交通省は現在、バスやタクシーの車内に運転者の名前を掲示することを道路運送法により事業者に義務付けていますが、今夏をめどにそれをやめるというのです。
わたしは移動に際し、いつも自家用車を自ら運転していますが、新幹線で東京に行ったときはもっぱらタクシー移動です。たしかに料金メーターの横には運転手さんの名前と顔写真が掲示されていますが、それはタクシー会社がサービスの一環で独自にやっているものとばかり思っており、法律で定められたものだったとは知りませんでした。
もし、わたしが運転手だったとして、後ろにいる乗客に自分の名前を知られているのとそうでないのとでは緊張の度合いが違います。プロドライバーとして常に安全運転を心がけていても、少しでも変な運転をすれば「百田っちゅう運転手はとんでもない走りをする」なんて通報されかねないと思うからです。その意味では名札の掲示は運転手の自戒を促すのに有効ですが、それよりもデメリットの方が大きいというのです。
現在では女性の運転手も増えており、氏名が特定されることによりストーキングされることがあるだけでなく、乗車態度を注意された客が逆恨みしてあることないことを運転手の実名入りでネットにあげるなんてこともあるようです。残念なことに乗客の安全安心のための措置が逆に運転手を危険にさらすことになっているのです。
改正後は車両の識別番号などで乗客が利用した車両を把握できるようにするそうで、お互いの安心のためには仕方のない妥協点なのかもしれません。名札の廃止といえば、販売店や飲食店でも同様の理由から廃止が進んでいるそうです。接客業でありながらマスクで顔の半分を隠したうえで匿名希望にしなくてはならないとは、世知辛い世の中になったものです。
●犯罪に“良い”も“悪い”もなくすべて憎むべきものですが、職業柄特に不愉快なのは本の万引きです。書店の利益率は一般的に3~5%ほどといわれています。ですから1冊の本が万引きされると、その損失を埋めるためには20~30冊売らなくてはならないのです。活字離れが進む中、書店員さんのご苦労を想うと万引きした本を懐にほくそ笑む輩は絶対に許せません。
哲学書1冊を盗んだとして兵庫県警尼崎東署が、窃盗の疑いで32歳の無職の男を現行犯逮捕したというニュースがありました。この男は書棚から取り出した本をリュックサックに入れるとことを店長に見つかり通報されたのですが、哲学書を盗むとはさぞかしインテリ男かと思いきや「本を売った金をパチンコで使おうと思っていた」などと供述していると聞いて呆れました。この男は自分で読むためではなく転売して現金化するために盗みを働いていたのです。哲学書が定価3520円ということで「これなら半値でも1500円以上になる」と、安価な雑誌や文庫本を避けて狙いをつけたのでしょう。書店中を本の中身ではなく裏表紙の価格を確認しながらうろつく姿を想像すると、滑稽さを通り越して哀れささえ感じます。
32歳の若者が仕事もせずにパチンコ代を稼ぐために万引きとはなんと情けないことでしょう。5000円稼ぐのにいったい何冊の本が必要なのか。毎回毎回店員に見つかる危険を冒しながら盗むことと、1日バイトすることのどちらが精神の安定のためにいいのかは考えるまでもなくわかるはずです。もっともそれさえも分からないのが32歳無職の無職たる所以かもしれませんが。肩書の無かった無職の彼に、今回「前科者」という不名誉な称号が付いてしまいました。本当に自分の人生はこれでいいのか。自身に問うために彼には哲学書を売るのではなく読むことをお勧めします。
●外部からの苦情で企業や団体が謝罪に追い込まれる事案が相次ぐ昨今ですが、今度は滋賀県が開催する競艇場「ボートレースびわこ」がターゲットになったというニュースです。
謝罪理由は公式YouTubeチャンネルの番組内で不適切な発言があったというものですが、その内容が出演者の「この番組を盛り上げるために全力で金を賭けてやってるんです」と聞いてわけがわからなくなりました。ボートレースはいうまでもなくギャンブル(金を賭けるもの)です。その公式チャンネルの出演者が番組を盛り上げるために「金を賭ける」と言うことのどこが悪いのでしょう。批判者は「依存症対策に配慮できていない」と怒り心頭のようですが、番組の視聴者はそのほとんどが競艇ファンです。そんな人たちは出演者が言おうが言うまいが放っておいても舟券を買うでしょう。それともビールメーカーが浴びるほど飲ませて売り上げ増につなげたいのに「飲み過ぎに注意」、消費者金融がじゃぶじゃぶ貸し付けたいのに「ご利用は計画的に」と申し訳程度の小さな字で書くように、今回も小さな声ででも「掛け金はお小遣いの範囲で」などと言えばよかったのでしょうか。
謝罪の最後には「今後は管理体制を強化し、出演者、運営一同、『ボートレースの楽しさを伝える』という本来の趣旨に則った番組作りに精進して参ります」と綴っていますが、いったい何を言っているのやら。
ボートレースファンの一番の楽しみは舟券が当たることにほかならず、ただ水面をぐるぐる回るだけのボートのどこに“楽しさ”があるのでしょう。「射幸心を煽って申し訳ない」とそこまで平身低頭謝るのなら、そもそも射幸心を煽ることで成り立つギャンブル(ボートレース)なんて開催しなければいいのです。苦情が来たから「とりあえず謝ってほとぼりが冷めるのを待とう」なんて安直な解決策は感心できません。
そして苦情を申し立てた人たちにも言いたい。今回の番組は一部の愛好家が自ら選択して視聴するYouTubeチャンネルのものでしたが、マニアだけでなく老若男女すべての国民が見るテレビからは毎週「今度の日曜は○○賞」とGⅠレースを告知するCMが流れてきます。あなたたちは全視聴者を煽る中央競馬会と、それを嬉々として放送するテレビ局にも文句を言っているのですか、と。
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