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2023年4月28日号:ニュースに一言「百田尚樹のテレビでは伝えられない話」

2023年4月28日号:ニュースに一言

2023-04-28 11:192 

●4月9日に投開票された熊本県会議員選挙で、昨年春の県議補選(被選挙数2)に初挑戦し、わずか594票届かず落選していた無所属の女性候補が今回は見事に当選したというニュースがありました。

この女性は前回、「有権者に自身を知ってもらうことが出来なかった」ことを反省し、今度こそ自分らしさを前面に打ち出して有権者に訴えようとしましたが、今回も彼女が最も彼女らしさをだせる得意の歌は封印せざるを得ませんでした。なぜならこの候補者はプロのシンガー・ソングライターだったからです。彼女は熊本県内を中心に企業やスポーツ団体のイメージソングやCMソングを40曲以上作り自ら歌っていました。彼女のことは知らなくても、それらの歌のワンフレーズを聞けば「ああ、知ってる」と一気に親近感を抱く人もいたことでしょう。
しかし、それに県選挙管理委員会が“待った”をかけたのです。選挙で買収がいけないのはだれでも知っています。選管はプロ歌手の歌唱はそのもの自体が商品であり、それをタダで聞かせることは“利益供与”にあたるというのです。たしかにホールでのリサイタルに無料で聴衆を招き楽しませることは利益供与になるでしょう。しかし街頭演説であいさつ代わりに一曲歌うことが買収になるとは到底思えません。歌手の歌がダメなら、お笑い芸人が演説中に聴衆を笑わすこともいけませんし、プロレスラーが闘魂注入のビンタをすることもままなりません。
選管の言うことが正しいとすれば、もし、わたしが立候補してもインターネットでの選挙運動が解禁されている中で「ユーチューバーの百田尚樹」に YouTubeはご法度です。ならば選挙公報に載せる文を頑張って書こうとしても、今度は執筆で報酬を得ている「作家の百田尚樹」が邪魔をします。最後の手段の立会演説会も「講演会講師の百田尚樹」でダメでしょう。どうやらわたしはどう足掻いても選挙運動をできそうにありません。
ほかにも無理な人がいます。その筆頭は類まれな美しさで見る人を魅了する女優やアイドルの候補者です。なぜなら彼女たちはその容姿こそが商品ですから人前に出ること自体がアウト。どうしてもというのなら覆面をして選挙運動をしなくてはなりません。
●トップレベルの男性サッカー選手は、認知症になりやすいそうです。これはスウェーデン・カロリンスカ研究所が発表した論文でわかったことですが、それによれば一流サッカー選手は一般男性に比べて認知症を発症するリスクが1・6倍も高くなるというのです。論文ではその理由をヘディングなどで頭部に衝撃を繰り返し受けることが影響しているとしています。
ヘディングに言及する根拠には同時に調べたゴールキーパーと一般人ではほとんど差がなかったことがあります。たしかにゴールキーパーはヘディングをせず頭部にダメージは受けませんから一理あるでしょう。そしてここでトップレベル、一流選手と限定しているのも興味深いところです。そんな選手は対戦相手も一流ですから強烈なキックを打ち合います。すなわち、へなちょこボールではない強いボールを頭ではね返すヘディングを長年繰り返すことによって認知症などの神経変性疾患のリスクが高まると結論付けているのです。
ボクシングでは頭部への打撃の蓄積のため脳に障害を起こす、いわゆる「パンチドランカー」のリスクが指摘されていることを考えるとさもありなんとも思えます。スポーツは技術も進歩していますが、用具も随分と変わっています。顔全体を覆うヘルメットに転倒した時に衝撃を和らげる素材のスーツを着ているスキーのジャンプ競技も、1972年札幌オリンピックの日の丸飛行隊、笠谷選手はほとんど体操服に近い競技服しか着ておらず、頭はなんと毛糸の帽子だけでした。そんな恰好でよく70メートルも向こうから飛んできたものです。
野球も然り、ON(王、長島)の時代の映像を見ますと、バッターはヘルメットこそ被っていますが身体を守る物はそれだけです。それに比べて現代では手袋に肘当あて、足にはレッグガード、ヘルメットも耳はもちろん顎までカバーする念の入れようです。キャッチャーも野村克也捕手のいでたちは前後ろに被った野球帽にキャッチャーマスク、あとは申し訳程度の胸当てとレガースだけですが、いまでは頭をすっぽりと覆うヘルメットに頑丈なマスク、肩を含めた身体の前面をすべてカバーする完全防備です。いうまでもなく選手の安全のためですが、サッカー選手の姿は釜本選手が大活躍し銅メダルを獲得した1968年メキシコオリンピックの頃とほとんど変わっていません。
さて、今回の発表を受け、スポーツの世界でも安全第一が叫ばれる中、いよいよサッカー選手もヘルメット着用が義務付けられるのか。
●昨年10月に懲戒免職処分を受けた50代の元山形県立高校男性教諭が、退職手当が支給されないのは不当だとして処分取り消しを求める訴えを山形地裁に起こしたというニュースがありました。
民間会社もそうですが、一般的に懲戒解雇や懲戒免職に退職金は支払われません。クビには値するものの情状酌量の余地のある場合には諭旨解雇や諭旨免職として「退職金は払うけどさっさと辞めてくれ」となります。それほど懲戒免職は悪質な場合に適用されるものなのです。
さて、この男性元教諭がいったい何をして懲戒免職になったのか。なんとこの男は教え子の女子生徒に手を出してクビになったといいますから呆れます。彼は昨年7月、部長を務めていた運動部が大会出場のため遠征先のホテルに宿泊した際、夜にマッサージ名目で女子生徒を自室に呼び、肩をもませた後、キスをするなどのわいせつな行為をしていました。
飲酒運転で事故を起こした、内緒の副業で荒稼ぎしたなど免職になる理由はいろいろありますが、その中でも教師が自身を信頼している生徒を毒牙にかけるのは最も悪質な行為です。そんな一切の言い訳が許されないことをしておきながら「この処分はおかしい」なんて盗人猛々しいにもほどがあります。元教諭の退職金は約1914万円だったそうです。50代ということであと数年でそれが手に入ったのにと考えるとどうにも諦めがつかなかったのでしょうが、その前にそれほどの悪事を働いた自身を責めるべきです。
訴状で計画性はなかったなどと主張しているそうですが、計画したことであろうがなかろうがそんなものは大した問題ではなく、やった行為そのものが大問題なのです。公務員の懲戒免職は本来、公表されるべきものでしたが、今回の事案は被害生徒を守るためにされていませんでした。元教諭がそれを見て「なんだ公表するほどのこともないのか。それなら処分が厳し過ぎる」と思ったのならとんでもない勘違いです。
県教委の担当者が「教員によるわいせつ行為は決してあってはならないこと。再発防止に引き続き努めてまいりたい」と言うのは当然で、裁判所も「なにがあっても生徒たちを守る」気があるのなら、こんな恥知らずな男の言い分などさっさと門前払いにするべきです。
●東京ディズニーランドが開園40周年を迎えたというニュースがありました。1983年4月にアメリカ以外で建設された最初のディズニー・パークとして開園した東京ディズニーランドは、18年後にできたディズニーシーと合わせこれまでに累計8億人を超える入場者を集めています。中には1人で100回以上訪れているマニアもいるそうで、いまや老若男女すべての人が楽しめるところとして真っ先に名前の挙がる場所になっています。
東京ディズニーランド開園前の屋外娯楽場の中心は「遊園地」でした。わたしの住む関西にも「宝塚ファミリーランド」「奈良ドリームランド」、そして1970年大阪千里丘陵で開催された日本万国博覧会に併設された巨大遊園地の「エキスポランド」がありました。訪れた子供は「あれも乗りたい、これも乗りたい」と大はしゃぎですが、ジェットコースターや観覧車に乗るにはそのたびに100円、150円のチケットが必要でしたので、財布が心配な親は遊びに行くにもかかわらず出発前に「今日は5回だけ」など念入りに言い含めたものです。
それら既存の遊園地とディズニーランドが一線を画しているのは、呼び名が「テーマパーク」に変わっただけでなく、そこは一歩門をくぐれば“夢の国”だということです。入場料さえ払えば乗り物は乗り放題ですから何の遠慮もなく次から次へとアトラクションを楽しめます。(もっとも入場料は奈良ドリームランドなら観覧車に一日中乗っていられたほど高額ですが)そんな状態ですから乗り物の前には常に長い行列が出来ています。でもそこはさすが“夢の国”、並んでいる人を退屈させません。きらびやかな山車に白雪姫やシンデレラの乗ったパレードが巡回するほか、園内の清掃員はほうきと塵取りを巧みにあやつるパフォーマンスを見せますし、水を撒くにしてもその水の跡がいつのまにかミッキーの顔になるなど常にゲストを楽しませる工夫が施されています。
そんなディズニーですからミッキーマウスやドナルドダックなどのキャラクターはそのイメージが損なわれないよう厳しく管理されています。テレビで彼らの姿が画面の端に映り込んだだけでも権利問題が発生しますし、ましてやタバコをくわえたミニーや泥酔したプーさんを流しでもしたらすぐに訴えられます。テレビマンにとってディズニーは“夢の国”でありながら、ある意味最も“現実的”でもあるのです。
●いやはや、すごい人がいたものです。京都府舞鶴市の路上で小学生が見つけた手の指の先端部分約2cmが60代の男性配達員のものと判明したというニュースがありました。4月24日、帰宅中の小学生から「人の指が落ちている」と母親を通じて警察に通報がありました。さらに翌日になりインターネット上で記事を見た人から「現場から少し離れた場所に血痕のようなものがある」と連絡があり警察が付近の防犯カメラを調べたところ、“落とし物の指”が市内に住む配達員男性のものとわかったのです。
男性は警察の聞き取りに対し、「配達中に車のスライドドアに挟んでケガをしたが、病院には行かずそのまま配達を続けた」と話していますが指を落とすなんて大けがです。「あっちゃー、指がなくなっちゃたよ。でもまだ配達の続きがあるし・・・。まっいいか」とよくなったものです。配達が面倒だと自宅に1000通以上の年賀状を隠し持っていた郵便局員など無責任な配達員がニュースになる中、見事なまでの責任感です。
わたしの友人にも若いころ家業の鉄工所を手伝っていて機械に指を挟まれ切断した男がいます。彼は床に転がる指を見て真っ青になりましたが、冷静にそれを拾い上げ氷をぎっしりと詰め込んだビニール袋に入れました。そして傷口をタオルで押さえ病院へと急いだのです。ところが運悪く病院は大混雑していました。律儀な彼は片方は真っ赤に血のにじんだタオル、もう一方に指の入った氷の塊を持ったまま順番待ちの列に並びました。前にいるのはおしゃべりに夢中な“元気な”老人ばかりですが、順番ですからどうしようもありません。年寄りばかりの列に並ぶ若い男に気付いた看護婦に「どうしましたか」と尋ねられ、初めて「こんなんなりました」と先っぽのない手を見せました。驚く看護婦に「あんた、なに呑気に並んでいるのよ」と急かされようやく処置室に入った彼は医者に呆れられながらも持参した指を元通りにつけてもらいました。
今回の配達員もすぐに病院に走れば指を失うことはなかったでしょうに、配達を優先するとはなんともすごい男です。ところで指先をなくしたまま配達を続けた彼はどうやってピンポーンとインターホンを押したのでしょうか。気になります。
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