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2023年4月15日号:百田尚樹さんのニュースに一言「チャットGPTが書いた小説」

2023年4月15日号:ニュースに一言

2023-04-15 14:14
 
●チャットGPTとはユーザーの質問に対し、AIがまるで人間のように自然な対話形式で答えるサービスです。たとえば「蜘蛛の糸の作者は?」には「芥川龍之介です」のように。さらに「芥川龍之介とはどんな人?」との問いには「東京大学を卒業した明治から大正、昭和にかけての日本の小説家で、主な作品に羅生門や鼻、河童などがあります。35歳の時に自殺しましたが、芥川賞というその名を冠した短編あるいは中編作品に与えられる文学賞があります」など非常に事細かく丁寧に教えてくれますので、これさえあればもう百科事典なんていらないでしょう。
そしてこのチャットGPT のすごいのは“質問”だけでなく“依頼”にも応えてくれるところです。琉球大学の卒業式で、卒業生代表がチャットGPTの書いた答辞を読み上げたというニュースがありました。大学院生の代表は中国にルーツがある学生でした。彼は「外国人である私が日本語の文章を書く場合、数日かかるかもしれません」と前置きした後「今ではAIがわずか数分で書き上げることができます。そうです、この答辞の初稿もチャットGPTが私の代わりに書いてくれたものです」と言い出したのですから式の参列者は驚きました。
送辞、答辞に指名された学生はその原稿を作ることに苦労します。過去のものを参考にし過ぎるとありきたりのものになってしまうし、自分の言葉にこだわり過ぎると重みがなくなるなどなかなかまとまりません。それがチャットGPTだと「卒業式の答辞を作って」とさえ入力すれば、コーヒーを飲んで待っている間に感動的な文章が出来上がるのですからこんな楽なことはありません。
チャットGPTの特徴はいかにも生身の人間が書くような自然な文体ですから、今回も総代が自ら種明かしをしなければわからなかったことでしょう。電卓の発明で九九が言えなくても計算できるようになり、ワープロができて漢字を知らない人も文字を書け、遂には「てにをは」がわからなくても文章を作れるようになりました。便利になるのはいいのですが、技術の進歩により人間がここまで甘やかされると逆に怖いものがあります。
近い将来、チャットGPTが書いた小説の読書感想文を宿題にされた小学生が、チャットGPTが作った感想文を自信満々に提出するようになるのかもしれません。
●北海道小樽市の路上で、駐車中の車の運転席にいた40代女性の顔をドア越しに何度も殴るなどした37歳の男が逮捕されたというニュースがありました。暴行の疑いで逮捕されたこの男は被害女性が勤める保険会社の客で、滞納していた掛け金の支払いを催促されたことに腹を立てたようです。事件現場が男の自宅近くの路上ということですから、女性は郵便や電話では埒があかないと直談判に及んだのでしょう。
保険は掛け金を支払う代わりにいざという時に保険金を受けとれます。ですから掛け金を払わない客は「即契約解除、その代わりなんの補償もしない」でいいのですが、保険の外交員はその多くを契約社員が担っており、掛け金の回収までがその責任となります。いくら契約を取ったところで一銭にもならず、入金があって初めて報酬が発生するのですから未回収は死活問題です。ですから今回の女性も危険を承知で単身乗り込んだのでしょう。
男は開いていた窓から座席の女性の胸ぐらをつかんで揺さぶったり、拳で顔を何度も殴ったりしておきながら取り調べに対し「殴るつもりはありませんでした。手が顔に当たったかもしれません」なんてとぼけたことを言っていますが、彼は大の男が敵意をもって女性の顔に手を当てることを世間では「殴る」と言うのを知らないようです。真摯に仕事に向き合う女性に対し、理不尽な暴力を振るう男にはぜひとも厳罰を与えてもらいたいものです。
ところで被害女性は傷害保険に入っていたのでしょうか。いつ何が起こるかわかりません。やはり保険は大事です。
●「青天の霹靂」いや「天国から地獄」と言った方がいいのでしょうか。楽しい思い出が一瞬にして悪夢に変わってしまった中国人男性のニュースです。この男性は恋人と“お泊りデート”をすることになり、奮発して浙江省杭州にある5星高級ホテル「コンラッド杭州」を予約しました。それも41階にあるデラックスルームです。
タワーマンションもそうですが、高層ビルは一般的に上層階ほど値段が高くなります。その理由はいうまでもなく低層階に比べ格段に恵まれた眺望が得られるからです。夢のような一夜を過ごしたカップルは朝になりその素晴らしい景色を見ようと勢いよくカーテンを開けました。その瞬間、彼らの目に飛び込んできたのはホテルが誇る「スカイビュー」ではなく、ワイヤーに支えられて窓ガラスを拭いている清掃員の姿でしたから大変です。なぜなら寝起きの彼らは一糸まとわぬ素っ裸だったのですから。
人間は突然の出来事に遭遇すると一瞬思考回路が停止し身動きが取れなくなるものです。微動だにせず見つめ合うカップルと作業員。部屋の中には、ただ彼女の「キャー」という悲鳴がむなしく響くだけでした。
カップルも災難でしたが、それよりも可哀そうなのは窓ふきの作業員です。なにしろ部屋にいるカップルはバスルームに逃げ込む、あるいは家具の陰に隠れる、なによりカーテンを閉めるなどの行動を自由に選択できましたが、地上100メートル以上の高さに吊り下げられている彼には逃げ場はないのはもちろん、後ろ向きになる余地さえ与えられてなかったのですから。
一流ホテルの客室内といえば、最もプライベートな空間が約束された場所です。そこでのアンビリーバブルな出来事に怒り心頭のカップルは、ホテル側に窓の清掃時間を事前に知らせなかった点を指摘して公式謝罪と宿泊費の払い戻し、精神的被害に対する補償を要求しました。日本のホテルなら真っ先に「申し訳ありません」ですが、このホテルの広報担当者は「天気のような、予測できない要因や宿泊客によって就寝時間も違うため正確な清掃時間を前もってお知らせすることは難しい」などと、いかにも中国らしい自己中心的な言い訳に終始するのですから呆れます。いかに世界的一流ホテルといえど、中国では「郷に入れば郷に従え」なのでしょう。そういえば「郷に入れば郷に従え」は「且道入鄉隨俗一句作麼生道」という中国由来のことわざでした。やはり本家はすごいわ。
●素っ裸といえば、500年以上も全裸で立ち続けている男の話です。アメリカ・フロリダ州の小学校で、16世紀のミケランジェロの作品「ダビデ像」の写真を6年生の児童に見せたとして校長が解雇されたというニュースがありました。ダビデ像はルネサンスを代表する彫刻作品で、旧約聖書においてイスラエル王国の二代目統治者とされる「ダビデ」が巨人ゴリアテとの戦いに臨み、岩石を投げつけようと狙いを定めているその姿は全裸で一切どこも隠していません。もちろん“あそこ”もです。
天才ミケランジェロの作品ですから筋骨隆々とした肉体や巻き毛の頭髪など、いまにも動きそうな精緻な造りです。もちろん“あそこ”もです。それを一部の親が「ダビデ像はポルノだ。子どもに見せるべきではない」と訴えるのですからわけがわかりません。校長によりますと、ダビデ像のような古典芸術作品を見せる時には、通常は事前に手紙で親に伝えていたそうですが、今回は伝達ミスが生じて6年生の保護者に届かなかったようです。それで何人かの親が苦情を申し立てたといいますが、なにより芸術作品を鑑賞するのに親の許可が必要なことに驚きました。
同じヌード写真でも分厚い写真集に掲載されていれば「芸術作品」ですが、コンビニのビニールに包まれた大衆誌に載っていれば「エロ写真」となるようにその線引きは曖昧です。それにしてもダビデのチンチンを見てそのまま性に結び付けるなんて俗っぽいにもほどがあります。裸の写真をポルノと見るのか、芸術と見るかは人それぞれですが、ひとつだけ間違いないのは優れた芸術作品は見る者の心を豊かにするということです。そしてその礎は幼いころから優れた作品に触れることで培われます。自身の貧相な感性で子供たちのその機会を奪う親たちには困ったものです。
きっと子供の頃に画集には目もくれずエロ本ばかり読んでいたにちがいありません。
●ポテトチップスやじゃがりこなどのスナック菓子でおなじみの食品メーカー、カルビーの2023年入社式に俳優の川口春奈さん、福原遥さんがサプライズゲストとして登場したというニュースがありました。これは2人が同社のCMに出演していることから実現したものですが、突然目の前に現れた人気女優に新入社員たちは大喜びだったそうです。
企業が新入社員を迎えて最初にすることは彼らに「愛社精神」を植え付けることです。誰しも経験したことがある「好きな人のためなら頑張れる」のように、仕事に行き詰ったときのよりどころを「会社のために頑張ろう」に求めてもらうためです。今回のサプライズを新入社員の皆さんはどう感じたのでしょうか。きっと全員が「おおっー、すごい会社に入った」と思ったことでしょう。その意味では彼らが「カルビー」を大好きになるのに十分な演出でした。
今年の新入社員の初任給は軒並みアップしていると聞きます。少子化の影響で労働人口が減る中、各社がどこよりも優秀な人材を確保しようとするものです。それは求職者にとってありがたいことですが、会社は大幅な賃金アップやテレビコマーシャルに多額の宣伝費を投入できる大企業ばかりではありません。そんな会社に入れるのは一部であって、ほとんどの新入社員は中小企業で働くことになります。
よく「俺は会社の歯車に過ぎない」なんて自嘲気味に言うサラリーマンがいます。生涯フリーランスのわたしが言うのもなんですが、「歯車」大いに結構じゃないですか。どんな機械(組織)もその部品である歯車が正常に動かないと機能しません。さらにすべての職業が人間社会に必要なように、その歯車の役割はその会社だけとどまらず国の維持にも及んでいるのです。学生時代と違いこれからは税金を納め、社会保険料を支払う文字通りの「社会人」です。ひとりひとりが「この国を動かしているんだ」という気概だけは忘れないでいてもらいたいものです。そんなすべての新社会人に幸多かれと願わずにはいられません。
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