真正保守『戦争はなぜ起きるのか(後編) 大東亜共栄圏というユートピアニズム』三橋貴明
株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから三橋貴明のツイッターはこちら人気ブログランキングに参加しています。チャンネルAJER更新しました。改訂版「インボイス制度導入は消費税増税に向けた基盤整備である」(前半)三橋貴明 AJER2023.3.7 令和の政策ピボット呼びかけ人に「呼びかけ人」に慶應義塾大学商学部准教授 岩尾俊兵先生が加わって下さいました。また、メルマガ「令和ピボットニュース」が始まりました。皆様、是非とも、メルマガ登録を!
三橋のユートピア 現場で汗水垂らして働く国民が豊かになる日本国
[三橋TV第688回]三橋貴明・高家望愛
昨日の続きです。 昨日のエントリーで、「戦争が起きる理由」について、
1.生存
2.思想(「こうあるべきだ」というユートピアニズム) の二つを挙げましたが、
これは思いっきり抽象化した話であって、現実はそれほどシンプルではありません。
現実は1と2が融合しているケースがほとんどで、
「1の割合が多いのか?」「2の割合が多いのか?」という話に過ぎません。
大東亜戦争(厳密には対米英戦)は、石油をはじめとする資源(及び市場)の問題から始まりました。
もっとも、そこに「大東亜共栄圏」というユートピアニズムが加わった。
大東亜共栄圏は、ロシアの「大ロシア主義(三位一体のロシア民族)」やアメリカのリベラリズム同様に、
典型的なユートピアニズム(こうある「べき」だ論)でした。
資源が豊富なアジアが英米蘭仏の帝国主義により過酷な植民地支配を受けている。
これらの国々を欧米諸国から解放し、日本を中心とした「道義的」な共存共栄的な秩序を打ち立てよう。
わたくしは戦後生まれなので、当時の日本国民が「大東亜共栄圏」
というユートピアニズムについてどのように受け止めたのかは分かりませんが、いずれにせよ、
「生存のための戦争の正当化に、思想を活用する」
というパターンは、歴史的によく見られることです。
実際、戦前(大東亜戦争敗北前という意味)のアジアは日本とタイを除き、
ことごとく欧米の植民地支配を受けていたわけで、
「大東亜共栄圏」という思想が説得力を持ったのは間違いないでしょう。
もっとも、戦前の日本に「資源」や「市場」の問題がなく、
グローバルな交易ネットワークの下で繁栄を謳歌していた場合、
果たして、「大東亜共栄圏」 という「思想」が生まれ出たのかどうかは、
疑問視せざるを得ません。
【経済の五要素】
http://mtdata.jp/data_81.html#5
経済の五要素は、資本(モノ)、労働(ヒト)、技術(ワザ)、需要(市場)、資源(※一次産品含む)です。
五要素の一つでも欠けてしまうと、生産活動は行われません。
内、モノ、ヒト、ワザの三つを「供給能力の三要素」と呼びます(というか、わたくしが名付けた)。
日本は歴史的に、モノ、ヒト、ワザについては、他国よりも秀でているケースが多い。
需要は、その気になれば政府が作り出せる(作り出さないと、帝国主義的になる)。
問題は、資源です。
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Source: 三橋貴明氏ブログ