正論「LGBT法」が成立しない米国 福井県立大学名誉教授・島田洋一

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正論

「LGBT法」が成立しない米国 福井県立大学名誉教授・島田洋一

福井県立大学の島田洋一名誉教授(宮川浩和撮影)

共和党は法制定に反対

「日本は先進7カ国(G7)で唯一、LGBT(性的少数者)差別禁止法が制定されていない。議長国として開催する5月の広島サミットまでに成立させないと恥をかく」といった言説がよく聞かれる。しかしこれは、まずファクトにおいて明白な誤りである。

G7の中心的存在かつ最大人口の米国は、民主党が提出した包括的なLGBT差別禁止法案(名称は平等法)に共和党が一致して反対する状況が続いている。現在下院は共和党が多数を占め、上院は51対49で民主党系がわずかに優勢だが、60人が同意しないと討議を打ち切って採決に入れない上院独自の院内規則があるため、予見しうる将来、成立の見込みはない。

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