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2023年3月18日号・百田尚樹のテレビでは伝えられない話 :ニュースに一言

2023年3月18日号:ニュースに一言

2023-03-18 15:33

 

 
京都府京丹後市が、昨年8月に地域の自治会を通じて約2万400の全戸に「生活保護の申請は、国民の権利です」と記したチラシを配りましたが、今年2月末から2回目の配布を始めたというニュースがありました。
これは長引くコロナ禍や物価の高騰により生活に困る世帯が増えていることを考慮したものですが、役所も随分と変わったなというのが率直な印象です。かつての役所は市民が得をすることの告知には極めて消極的でした。申請さえすればもらえる手当が新設されても誰も見ないような広報の片隅にちょこっとだけ載せ、あとは役所内の掲示板に貼りだして終わりですからとても周知とはいきません。そんな具合ですから所用で役所に行った際に掲示板を見て「あれ、こんなのがあるなら教えてよ」なんてこともしょっちゅうでした。それが、全戸に「権利です」の大見出しとは・・・、まさに隔世の感があります。
チラシには「新型コロナで収入が減った」「小さい子どもがいるので働ける時間が短い」「年金では暮らせない」など、申請しうる具体的な状況を列挙するだけでなく、制度を理解できず申請をあきらめる人を出さないために「持ち家があると受けられない?」「関係が悪い親族にも連絡がいく?」など誤解されがちなポイントをQ&A形式で解説する念の入れようです。さらに2回目のチラシには生活保護で生活苦を乗り切って就職を果たした人の体験談なども加え、まるで生活保護を推奨するかのようなチラシに仕上げています。
なるほど生活保護は国民の権利で間違いありません。しかし、今回のこの“生活保護推進キャンペーン”にも似た市の動きにはいささかの違和感があります。なぜなら公助の生活保護は自分で何とかする自助、周囲の世話になる共助、そしてそれでもダメな時に頼る最後の手段であるべきだと思うからです。それなのになんの努力もせず「すぐに生活保護に頼れ」では予算がいくらあっても足りません。わたしは弱者を切り捨てろと言うつもりは毛頭ありませんが、日本人が勤勉で誠実な恥を知る民族(端からそんな文化を持ち合わせていない外国人の受給者も多数いますが)だったのは過去の話で、現在では自分が楽をするためにはウソも平気、他人に何と思われても気にしない人が多くいます。残念なことですが、いまの日本は性善説の通用しない国に成り下がってしまったのです。
働きたくても“働けない”人は弱者ですが、働けるのに“働かない”人まで弱者となっている現状は明らかに間違っています。現在、生活保護を受けている人は200万人を超えており、ざっと60人に1人の割合です。そして、その原資はすべて税金です。
●大阪で、ほぼ2カ月にわたり毎日コインパーキングの料金を踏み倒していた住居・職業不詳の26歳の男が逮捕されたというニュースがありました。
この男は大阪市東淀川区のコインパーキングで、昨年7月13日から9月20日までの70日間のうち54回、車の後輪を駐車板の上に乗せ板が上がらず課金できないようにして総額約6万円の駐車料金を逃れていました。
車を走らせていると街中のいたるところにPの文字を見ることができます。かつては人間が常駐してキーと共に車を預かっていた駐車場も、現在では無人のコインパーキングが主流となりました。出口を塞ぐバーを料金を払って上げて出庫するものや、今回の事件の駐車場のように車が動かせないように上がった駐車板を料金支払いにより下げ出庫するものなどいろいろあります。さらに最新のパーキングには出口のバーなし、駐車板なしの月極駐車場のようなものもあります。こちらは場内のいたるところに設置されたカメラとセンサーで入ってきた車を捕捉するものですが、いずれの方式にせよ支払いなしでの出庫はご法度です。
今回の容疑者は毎日夜間に駐車していることから、どうやら自宅の駐車場代わりにしていたようです。そりゃそうでしょう、なにしろ住居が不詳なのですから駐車場なんて借りてるわけがありません。とりあえずは連日駐車板の同じ位置に寸分たがわず停車するテクニックがあるほどの駐車の達人ですから、まずは一日も早く職業不詳の肩書を外してもらいましょう。
●岐阜県美濃加茂市の市長が市議会定例会で市議からの一般質問に対し謝罪したというニュースがありました。
市長が謝罪とはまた失言か公私混同、あるいは公金の使い込みかと思いきや、名古屋市の河村市長と一緒に写る写真の笑顔が理由と聞いて驚きました。
この市長は今年1月に「堂上蜂屋柿」という美濃加茂市特産の高級干し柿をPRするため河村市長を訪問しました。差し出された柿を河村市長はガブリと一口、そしてにっこり笑う両市長のツーショット写真が翌日の新聞に掲載されました。それをこの市議は「堂上蜂屋柿は1000年の歴史のある尊い干し柿。この柿は、へたを取って8つに割いて食べるのがおいしい食べ方なのに河村市長はそのままガブリ。それを横で笑って見ているだけとは何事か」と言うのですからわけがわかりません。
河村市長もわざわざ訪ねてくれたことへのサービスでかじったのに、無知な無礼者のごとくに言われるとは夢にも思わなかったことでしょう。そもそも、食べ物をどのように食べようと自由なはずです。「こうすればもっとおいしいよ」ならまだしも「こう食べなければダメだ」なんて、そんな傲慢な生産者の作ったものなど食べたくありません。さらにこの市議は「この柿は(生産者にとって)本当に金メダルみたいなもの。生産者の中には侮辱されたと感じた人もいます」と、河村市長が2021年に東京五輪ソフトボール選手の金メダルをかじって批判を受けたことを引き合いに出すのですから、河村市長もとんだとばっちりです。
市長は「撮影時に食べ方を改めてお伝えしきれなかった私の落ち度です」と謝罪しましたが「お前こそ何にでも噛みつくな」とでも言ってやればよかったのです。今回の騒動で「堂上蜂屋柿」の名前は全国に知れ渡り、PRという当初の目的は達せられましたが「そんな面倒な柿なんていらない」と思ったのはわたしだけではないでしょう。
●学校の先生は教育系学部を卒業、あるいは教職課程を修了するなど「教員免許」を持っている人しかなれないものですが、山口県教育委員会が新年度の教員採用試験で新たに「教職チャレンジサポート特別選考」を始めるというニュースがありました。
これは大学は卒業しているが教員免許を持っていない54歳以下の人を対象にしたもので、合格者には2026年度の採用を確約した上で、年間最大26万円の補助を受けながら2年間のうちに通信制大学などで教員免許を取得してもらうというものです。タクシーやバスの運転手募集には「二種免許がなくてもOK」「大型免許なしでも応募可」と書かれているものがあります。これは「入社後に会社が免許取得をサポートしますから安心して応募してください」という意味ですが、今回の山口県教委の取り組みはまさにその“教員版”といったところでしょうか。さらに過去10年以内に本採用の教員として勤務した経験のある人には一次試験が一部免除されるなど、応募しやすい工夫を凝らしています。
その背景には言うまでもなく教員不足で現場が疲弊する中、なんとしても一定数を確保しなければならない現状があります。65歳まで働く人が増える一方で少子化によりクラスが減少しているのにもかかわらず教員不足とは不思議にも思えますが、その要因の一番は求職者にとって教員が魅力のない職業になっていることが挙げられます。土日にクラブ活動の指導で出勤する、長時間労働でありながら残業手当がつかないなど、その環境が決して恵まれたものではないことは知られています。「教職チャレンジサポート特別選考」も結構ですが、まずそこを改善しなければあの手この手で応募者を増やしたところで退職者も増えますので何も変わらないのでは・・・。
過去10年間の「小学生がなりたい職業ランキング」で教員は男子で4回、女子は毎年トップ10入りする子供たちにとってあこがれの仕事です。それが大人になり労働条件を気にするようになると一気に不人気になるなんて残念なことです。子供たちの純粋な気持ちを奪わないためにも早急に労働環境を整備することが必要です。学校の先生には何を置いても子供が大好きな「なりたい人」になってもらいたいものですから。
●ベルリンの壁は本来1つの国であったドイツを西側と東側に隔てる東西冷戦下における象徴でしたが、1989年の東欧革命による東ドイツ国内の混乱に乗じ撤去されました。いわゆる「ベルリンの壁崩壊」です。そして今回またベルリンでひとつの「壁」が崩壊しました。ベルリン市内の市民プールを女性が男性と同じようにトップレスで泳ぐことが認められたというニュースがありました。
これは2022年12月、女性水泳選手が胸を隠さずに市民プールで泳ごうとして止められたことをきっかけに市当局が既存のルールを見直したもので、ジェンダーの平等に向け一歩前進したとして歓迎されているそうです。
オリンピックを見てもわかるように女性スイマーの身体は例外なく胸から股間にかけ水着で覆われています。それがこれからは海パン一丁の女性スイマーが現れるというのです。この“男女の壁崩壊”を「なんと素晴らしいことでしょう。どんどんさらけ出してください」と多くの男性は歓迎するでしょうが、公序良俗的観点から見ると喜んでばかりもいられません。彼女らの言い分は「男性は胸を出しているのに女性が出せないのは差別だ」というものですが、男性の乳首と女性のそれは明らかに異質のものです。女性の胸は間違いなく性の対象であり、人口の半分を占める男性を惑わすものだからです。
不意にオッパイが露な女性が目の前に現れて平然としていられる男性がどれほどいるでしょう。ある調査によれば全裸の女性の前に突然男性が現れた場合、半数以上の女性はとっさに股間より胸を隠すそうです。言うならば女性の胸は男のチンチンと同じようなもので、強烈な破壊力があるのです。
海外にはヌーディストビーチという上だけでなく下までも丸出しの場所があるのに今さら騒ぎ立てることはないと思う人がいるかもしれませんが、そこが愛好者という限られた人のみが集まる閉鎖された場所なのに対し、今回は“市民”プールという誰もが入れるまったくのオープンな空間だという明らかな違いがあります。裸になるなとは言いませんが、子供も集うそんな場所でのそれはいかがなものでしょう。なにごともTPOが大切です。「差別はダメだ」ですべてを片付けるのは簡単なようですが、実はなにも片付いていないのです。なにはともあれ、今年の夏はベルリンのプールで監視員のアルバイトでもするとしますか。へへへ
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