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松潤主演NHK『どうする家康』は「シン・大河」になる?

松潤主演NHK『どうする家康』は「シン・大河」になる? 大ヒット大河ドラマ“勝利の方程式”とは

2023/01/08

source : ノンフィクション出版

genre : エンタメ, テレビ・ラジオ

 日曜夜の名物・NHKの大河ドラマは2023年の『どうする家康』で放送開始60年を迎える。井伊直弼を主人公にした『花の生涯』(1963年)からはじまった大型歴史ドラマは、時代の流れと共に様々な変遷を遂げてきた。

 初期は教養ドラマとしての要素が強かったが次第に娯楽ドラマを意識したものとなり、いわゆる合戦などのある時代ものから近代路線に転換したり(戦後が舞台で実在の人物の出ない『いのち』〔86年〕など)、女性を主人公にしたり(最高視聴率29.2%を獲った『篤姫』〔08年〕など)、最新研究に基づいた新たな視点を採用したり(信長を裏切った謀反人のイメージの強い明智光秀の意外な側面に迫った『麒麟がくる』〔20年〕など)と試行錯誤を繰り返してきた。

家康が再々評価される可能性

驚きの変化といえば、大河に多く関わった演出家・大原誠の著書『NHK大河ドラマの歳月』を読むと、その昔「平安、家康、明治」は当たらないとされていたという。平安はまだしも、戦国ものはテッパンと思っていたが信長や秀吉と比べると家康人気はないと考えられていた時代があるとは……。2023年『どうする家康』、2024年『光る君へ』は家康に平安である。どうする、ならぬどうしたNHK? と思いきや、『徳川家康』がヒットした時代もあった。バブルが来る前の1983年、日本が低成長期に陥っていた頃、家康のような堅実な人物が再評価された。

『どうする家康』主演の松本潤 ©文藝春秋

家康は信長や秀吉のように乱世を派手なパフォーマンスで生き抜いてきた人物とは異なる。その代わり、260年もの長い間、幕府を維持し、戦のない時代を守る礎を作った安定の人物だ。かつてない経済状況と不穏なことが続く平成の終わりから令和にかけて、家康が再々評価される可能性は高い。目立ったことはしたくない、なにより安定が大事で、コスパやタイパを重視する現代の若者たちが人質生活を経て地道に生き抜いてきた家康に共感してもおかしくはないだろう。

60年目にして大河ドラマをアップデート

時代の要請に応えることができそうな家康を題材にした『どうする家康』には新しい大河ドラマを作ろうとする意気込みが感じられる。まずは「どうする」と問いかけるタイトルの新しさ。さらにアイコン的なタイトルロゴ。汎用性があり、デザイン性の高いグッズを作りゆかりの地で販売することで番組以外の広がりを狙えそうでもある。なにしろいまは、視聴層の若返りや、同時視聴ではなく配信視聴の時代に合わせた番組づくりが求められている。新たな視聴者が楽しむ話題づくりとSNSでの拡散が課題なのだ。

大河ドラマは60年目にして『どうする家康』でシン・大河を目指しているのではないか。念のため説明すると「シン」とはゴジラ、ウルトラマン、仮面ライダーと長い歴史をもつコンテンツを見て育った庵野秀明監督が敬意をもって新たに作った作品群の冠詞のようなものだ。庵野監督作独自の言葉を借りることは憚られるが、令和的なアップデートの響きという点で例えとして使用させてもらった。

『麒麟がくる』主演の長谷川博己 ©文藝春秋

ヒットに欠かせない「戦国」「幕末」「三谷幸喜」「堺雅人」

これからの大河には何が求められているのか。21年2月に文春オンラインで公開された「大河ドラマベスト1」のアンケート結果から筆者は、近年の大河に求められている要素を「戦国」「幕末」「三谷幸喜」「堺雅人」と分析した。「三谷」はユーモア、「堺」は華と親しみのあるスターという意味合いだ。この数年の大河を振り返ると『麒麟がくる』は「戦国」もので、前述したようにこれまでとは違うアプローチで明智を描いた。「幕末」ものの『青天を衝け』(21年)は渋沢栄一と徳川慶喜の身分を超えた友情を軸に幕末の青春群像といった趣があった。「三谷幸喜」脚本の『鎌倉殿の13人』(22年)は鎌倉を舞台にテッペンをとるためのデスゲームを笑いも交えて描いた。

『どうする家康』が期待できる理由

『どうする家康』は「ユーモア」のある脚本を書ける古沢良太による「戦国」ものに「スター」(ジャニーズの松本潤)を配し、人気要素をもれなく押さえてある。なにより脚本家が古沢良太であることは大きい。映画化もされヒットした『コンフィデンスマンJP』や『リーガルハイ』シリーズなど人気テレビドラマや映画を多数手掛けてきた古沢。漫画も描けることを生かしたクセの強いキャラクターたちによるアップテンポの会話劇を夢中で追っているとある瞬間、引っくり返され、そこに得も言われぬ快感が生まれる。計算され尽くした構成力と天性のリズム感と腕力の強さによる逆転劇にはどこか往年の少年漫画を思わせるような明るさと切なさが入り混じり、多くの視聴者を捉えて離さない。

古沢の描く家康は、様々な局面で「どうする?」と悩みながら最適解を選択していくだろう。そして、現時点で公表されている家康を取り巻くたくさんの家臣や家族や敵対する登場人物と演者を見ると、個性豊かな人たちによる群像劇になるのではないだろうかと想像できる。歴史的な出来事をなぞるのではなく、その時代に生きた人々が生き生き活写されるであろうことは間違いない。

大河に欠かせない要素は「女性」

続く2024年の『光る君へ』は『おんな城主直虎』(17年)以来の女性主役の大河となる。脚本家、プロデューサー、チーフ演出、主演が女性という稀有な座組で描かれる華やかな平安貴族たちによる政治や恋の物語。紫式部と藤原道長のソウルメイト的な関係が軸と聞くと『篤姫』で堺雅人演じる徳川家定と篤姫の夫婦の物語に人気が沸騰したことを思い出す。大河にもうひとつ欠かせない要素は「女性」である。『直虎』では直虎と幼馴染の直親と政次との関わりが求心力となっていた。都度都度、濃密な愛の物語が大河に息を吹き込んできたのである。

『篤姫』主演の宮﨑あおい ©getty

最後に、戦国、幕末ものでなく、近代オリンピックの歴史を描いた『いだてん~東京オリムピック噺~』(19年)は視聴率こそ振るわなかったが教養と娯楽を兼ね備え、かつ映像として見応えのある秀作であったことも記しておきたい。

◆このコラムは、政治、経済からスポーツや芸能まで、世の中の事象を幅広く網羅した『文藝春秋オピニオン 2023年の論点100』に掲載されています。

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