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有働《NHK大河「どうする家康」》脚本・古沢良太が語った

《NHK大河「どうする家康」》脚本・古沢良太が語った松本潤と有村架純の今後と、頼りにする“実力派俳優”

有働由美子のマイフェアパーソン 第49回

news zeroメインキャスターの有働さんによる月刊「文藝春秋」の対談企画「有働由美子のマイフェアパーソン」。2023年2月号のゲストは、放送がスタートしたばかりのNHK大河ドラマ『どうする家康』の脚本を担当する古沢良太さんです。同号より一部を転載します。

 ◆◆◆

「めちゃめちゃ『古沢さん売りやん!』」

 有働 本日はリモートで対談をお届けします。これはご自宅ですか。

 古沢 自宅とは別に借りている部屋です。

 有働 ふだん執筆はそちらで?

 古沢 はい。

 有働 24時間そこに“缶詰”になりますか。

 古沢 こっちに泊まっちゃうことが多いですね。

 有働 先ほどから、背景の壁にメモ書きのようなものが隙間なく張られているのが気になっていまして。ひょっとしてNHK大河ドラマ『どうする家康』の資料か何かですか。

 古沢 はい、すぐ無くしちゃうので(笑)。

       古沢良太氏 ©文藝春秋

 有働 この雑誌の発売日は大河の第1話(1月8日放送)放送直後です。古沢さんはこれまで『ALWAYS 三丁目の夕日』や、『リーガル・ハイ』、『デート〜恋とはどんなものかしら〜』、『コンフィデンスマンJP』など、数々の話題作を書かれてきました。ついに大河デビューとなったわけですが、他の連続ドラマと比べて気合入ったり?

 古沢 いや、えっと……同じですね。

 有働 カッコイイ!

 古沢 いやいや、僕としてはプレッシャーより楽しみのほうが大きくて。1年以上前から書いているので、長い時間をかけ準備してきたものを世に放つのは、時限爆弾が爆発する感じでワクワクしています。予算規模も贅沢で恵まれた環境で書かせてもらっているのを実感しています。それを思いっきり享受し、感謝しながら書いていきたいですね。

 有働 とはいえ、大河の特設ホームページを開いてみますと、

〈今、最も期待される脚本家のひとり古沢良太が、新たな視点で、誰もが知る歴史上の有名人徳川家康の生涯を描く〉

と、デカデカと書かれています。めちゃめちゃ「古沢さん売りやん!」って思いました。

 古沢 有難いですけど照れくさいですね。でもみんなで作っているものですから。

 有働 ちなみに演出統括の加藤拓は私と(NHK入局)同期です。

 古沢 非常に助けられています。制作統括の磯智明さん、加藤さんと3人で企画を練りました。主人公の家康役に松本潤さんの名前を挙げたのは加藤さんでしたね。

 有働 オファーがあったのはかなり前の時期だったんですか。歴史物はリサーチにも時間がかかるでしょうし。

 古沢 オンエアの3年前くらい、2020年だったと思います。

 有働 NHK側がどうアプローチしてきたのか、気になります。

 古沢 制作統括の磯さんが人伝に僕のメールアドレスを聞いて連絡してくださって。会ってみたら「23年の大河を書きませんか」という話で、「直近の作品と被らない戦国時代を扱えるタイミングなんですが、好きな武将や描きたい歴史上の人物はいますか」と。

 有働 そんな感じなんだ。あらかじめ主人公が決まっているものだと思っていました。それで古沢さんが家康を選ばれたわけですね。

ウクライナ戦争の今、戦国時代を従来のように描くのは厳しい

 古沢 家康には魅力を感じていましたが、ただ家康を賛美したいわけではなくて。1年間どんなドラマだったら面白いかを考えたときに、家康公の人生をお借りしたいなと。戦国時代の面白さは、常に死と隣り合わせで生きるか死ぬかの究極の選択を迫られること。毎回ハラハラドキドキするようなサバイバル物語になるなと思ったんです。

死後、神格化され語られることの多い徳川家康

 有働 早速、第1話のタイトルが「どうする桶狭間」ですもんね。いまはウクライナ戦争が長期化し、日本も物価高など先行きの見えない世の中ですが、意識されますか。

 古沢 意識せざるを得ないですよね。長らく戦国時代って、誰が天下を取るのか、ロマンありきで描かれてきました。でも、僕らは今、街に爆弾が落ちたり、地下シェルターで子どもが泣いている姿を、携帯ひとつで身近なこととして感じられる。殺し合いの戦国時代を、従来のように描くのは厳しいですね。

 有働 それは分かるなあ。

 古沢 織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の戦国三英傑が幸せだったとは思えないんです。家康は好んで、あの時代に、弱小国のプリンスとして生まれたわけではない。別に天下を取りたいわけでもなかったと思います。必死に悩み、もがき、半ベソをかきながら、信長や秀吉をはじめとするモンスターたちに食らいつき、命からがら乱世を生き延びていった。そんな誰もが共感しうる現代的なヒーローなのではないかなと。

 有働 今は何話目まで書いたところですか。

 古沢 半分ちょっと超えたところです。

 有働 順調なのでは?

 古沢 ちょっと焦っています。どこかですごい修羅場が来て行き詰るのではないかと不安で。思ったより時間がかかっていて、もう少しペースを上げていきたいですね。

 有働 一話書くのにどのくらい時間がかかるんですか。

 古沢 大体2週間かかります。

 有働 何が一番大変ですか。

 古沢 まず、勉強しないといけないんですよ。家康は史料が数多く残っていますから。時代考証の先生方に「このとき、この人はここにいません」と、ご指摘を受けたりしながら書いています。

 有働 大河ドラマ『真田丸』でナレーションを務めたとき、考証の先生が3人ほどいました。収録直前に先生からの指摘で台本に修正が入って。「むしろ分かりにくくなっちゃうけど、本当に変えるんですか?」と言うと、「どうしてもこの説明じゃないとダメなんです」と。

 古沢 台本に入る先生の赤字チェックが恥ずかしいですね。現代でも使う敬語まで間違って余計恥をかいています(笑)。

 有働 天下の古沢先生でも赤ペン先生は容赦ないですね(笑)。

 古沢 物語上の都合で人物を動かせないときや、時代考証に沿った言い方にして面白さがなくなっちゃうときは、こちらのワガママを通させてもらっています。でも、先生方のご指摘はとても勉強になります。

 有働 半分まで書かれてみて50話近い大河は長いと感じますか。

 古沢 家康の人生はあまりにいろんなことがありすぎて、書きたいことが山ほどあります。そういう意味では足りないぐらい。でも、その分物語の展開をはやく進めているので、これまでの大河になかったようなスピード感で展開していくのは見どころの一つだと思います。

 有働 これから1年間、家康を演じる松本潤さんに期待することは何でしょう。

徳川家康と松本潤の化学反応が見たい

 古沢 僕は松本潤さんが松本潤さんのままやり通してくれたら一番いいなと思っているんです。多くの役者が演じて出来上がってきた家康像に囚われることなく、とにかく徳川家康と松本潤の化学反応が見たい。あとはもう、書いてあることを好き勝手にやってほしいです。

 有働 有村架純さん演じる瀬名は、家康の初恋相手であり最初の奥さんになります。歴史好き以外の視聴者には馴染みのない名前です。

 古沢 今回、僕がすごく描きたかった人物のひとりです。これまでは悪女として語り継がれてきました。傲慢な女で怪しげな男と浮気していたとか。息子・信康(細田佳央太)の奥さんが織田信長の娘・徳姫で、嫁・姑の仲が良くなかったとも言われています。少しネタバレになっちゃうんですが、瀬名は数奇な運命をたどることになります。通説では今挙げていたような「悪女」エピソードが背景にあったとされますが、どれも真偽が定かではなく近年は別の見方も出ています。僕にはそんな卑近なことで家康があんな決断を下すとは思えない。「本当はこういう人だったんじゃないですか、瀬名さん」という気持ちで書いています。

 有働 瀬名、気になる〜。過去の大河とは違う徳川家になりそうな予感がしてきました。

 古沢 近年、徳川史観が見直されているんです。家康は死後、神格化されました。そのため、江戸時代になって作られた史料は家康の行動を正当化する一方、瀬名や信康の悪行が記されています。ところが、倒幕運動が起き明治の世になると、一転して狡猾な男と評された。その両極端のフィルターを通した家康像が現代に伝わってきているので、どちらもいったん取り外して、等身大の家康とその家族を、なるべく自分や視聴者が共感できるように書いていくつもりです。

 有働 古沢さんから演者を指名することってありますか。

 古沢 よく聞かれるんですけど、自分からこの役はこの人にして欲しいと言うことはほとんどないですね。「理想で言うと、あの役者さんがイメージに合う」と伝えることはありますが。

 有働 『コンフィデンスマン』でブレイクした小手伸也さんなんか、今回の大河にもちゃっかり(?)家康の家臣役で出演していますよね。

 古沢 (制作統括の)磯さんに「小手さんが出たがっていますよ」と共有したら、「小手さん、いいじゃないですか!」となって、出ていただくことになりました(笑)。でも実力のある方なので、やはり頼りになりますね。

脚本家の古沢良太さんと有働由美子アナウンサーによる対談「徳川家康と松本潤の化学反応」は、「文藝春秋」2023年2月号および「文藝春秋 電子版」に掲載されています。

 

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