日米両政府は、国際的なサプライチェーン(供給網)での人権の尊重を促進するタスクフォース(作業部会)を6日に発足させる。安倍晋三元首相の遺志を継いだ、西村康稔経産相の覚悟とは。ジャーナリストの有本香氏が緊急寄稿した。
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久々の「朗報」と言える。
訪米中の西村経産相が6日、ホワイトハウスで米通商代表部(USTR)のキャサリン・タイ代表と会談し、日米の関係省庁による新組織発足の覚書を締結する。
これは、中国でのウイグル人らへの強制労働問題の解決を念頭に置いた措置だ。米国が「ウイグル強制労働防止法」などを施行させて強化している「強制労働の産品排除」を、日本企業にも浸透させる狙いがある。
西村氏には、「約束を守ってくださり、ありがとうございます」と申し上げたい。今だから明かすが、実はウイグル問題をめぐって、西村氏とは昨年夏、少々のやり取りがあった。
安倍元首相が凶弾に倒れた(7月8日)直後、世界ウイグル会議のドルクン・エイサ総裁から「弔問のために訪日したい」と相談を受けた私がまず相談したのが、安倍派の事務局長を務めていた西村氏であった。
安倍氏とウイグル問題との深い関わりを振り返りながら、私が「来日するドルクン総裁と面会していただけませんか?」と頼むと、西村氏は「いいですよ」と快諾し、次のように語った。