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焦点:中国とパキスタン、アフガンへ支援実行 狙いは何か
ブリンケン米国務長官は13日、アフガニスタンからの駐留米軍撤収について下院外交委員会の公聴会で証言を行った。(2021年 ロイター/Jonathan Ernst)

焦点:中国とパキスタン、アフガンへ支援実行 狙いは何か

 

[イスラマバード 12日 ロイター] - スイスのジュネーブで13日、国際的な援助団体が集まり、イスラム主義組織・タリバン支配下のアフガニスタンに対する人道支援について話し合う。しかし、近隣国である中国とパキスタンは既にアフガンに援助の手を差し延べ、将来の支援についても協議している。

専門家によると、アフガンでは人道危機の恐れが生じている。

だが、米国その他の西側諸国は、タリバンが人権、特に女性の権利を守ると請け合うまでは資金提供に消極的だ。海外にあるアフガンの資産約100億ドルも凍結されている。

アフガン担当の国連事務総長特別代表、デボラ・ライオンズ氏は今週、国連安全保障理事会で「これらの資金が事実上のタリバン政権に渡るのを阻止するという目的は理解できる」と発言。その上で「しかし、その結果として、厳しい景気後退が起こることは避けられず、さらに何百万人もの人々が貧困と飢餓に追いやられ、アフガンから大勢の難民の波が押し寄せるかもしれない」と警鐘を鳴らした。

もう1つの影響として考えられるのは、アフガンが緊密な協力関係にある近隣のパキスタンと中国にさらに接近する可能性だ。両国は、既に飛行機何機分もの物資をアフガンに届け、関係強化も示唆している。

中国はタリバンによる政権掌握後、先陣を切って3100万ドル分の食糧と衣料品の配送を表明した。

パキスタンは今月初旬、アフガンの首都カブールの当局に調理用油や医薬品を送った。パキスタン外相は国際社会に対し、条件を付けずにアフガンを支援するとともに、海外資産の凍結を解除するよう呼びかけた。

<鉱物と戦闘阻止>

パキスタンはタリバンとの関係が深く、米政府が支援する民主政権との20年におよぶ戦争を支援していると批判されてきた。パキスタン政府はこれを否定している。

中国もパキスタンとの強力な提携関係を背景に、タリバンに関与してきた。一部のアナリストによると、同国の狙いは電気自動車(EV)に欠かせないリチウムなど、アフガンの豊富な鉱物資源だ。

中国はまた、アフガン国内における戦闘が国境を越えて中国に及ぶことにも懸念を表明しており、タリバン政権がそれを阻止するのに一役買うことを望んでいる。

一部専門家や当局者によると、中国は人道援助だけでなく、巨大経済圏構想「一帯一路」を通じてもアフガンに長期的な経済支援を行える可能性がある。

1つの可能性として、一帯一路の要となるインフラ整備事業「中国パキスタン経済回廊(CPEC)」にアフガンが加わることも考えられる。

パキスタンの元駐アフガン大使、ラスタム・シャー・モハマンド氏は「タリバンはCPECへの参加を歓迎するだろうし、中国もそれを非常に喜ぶだろう」と述べた。

中国政府はまだ、一帯一路の件についてコメントしていない。だが、中国の王毅外相は、政府が中国・アフガン間の貨物列車再開について積極的に協議し、アフガンの外国との交流、特に人道物資へのアクセスを円滑化する用意があると述べている。

パキスタン外務省とタリバン報道官のコメントは取れていない。

<タリバンと中国が協議>

タリバン首脳らはここ数週間、中国との友好な関係を望むと述べている。

タリバン上層部筋によると、カタールの首都ドーハで中国と投資機会を巡る協議が行われた。中国は特に鉱業に関心を示しているが、鉱業部門で事業が行われる場合には競争入札になる、とのこの筋は述べた。

「タリバンは、わが国にとって利益となる外国の投資を歓迎する」と語った。

アフガンとパキスタンにいる情報筋2人によると、中国は何年も前からアフガンにCPEC加盟を積極的に働きかけてきたが、米政府が支援していた前政権からは確約が得られなかった。

パキスタン上院議員のムシャイド・フセイン・サイド氏は「アフガニスタンの経済を発展させる最善の、そして今すぐ可能な代替手段がCPEC(加盟)だ」とし、タリバンが掌握した新政権は「これを受け入れるだろう。彼らは乗り気だ」と述べた。

しかし、中国としては、既にアフガンにおいて所有している鉱業権益の事業化が難航しているだけに、同国の治安が不安定な中で投資を拡大することにはリスクも伴う。

「中国・グローバル化センター」の王辉耀・理事長は「アフガニスタンの治安と安定性も、中国にとって重要であることは間違いない」と指摘。「だが、中央アジアとの結びつき、そして一帯一路全体の接続性、こうしたことは全て地域の安定と繁栄に関係してくる。中国はそこに関与していける」と述べた。

(Charlotte Greenfield記者)

Source: 大紀元 エポックタイムズ・ジャパン

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