9月5日に東京パラリンピックが閉幕し、東京2020大会は全日程が終了した。その裏で、組織委員会が発注した大会オフィシャルグッズが大量に余り、スタッフたちが自由に持ち帰ったり、フリマサイトなどで大量に転売されていることが「週刊文春」の取材でわかった。

 小誌は、五輪組織委員会の本部が置かれた晴海トリトンスクエアの一角に山積みになった段ボールの写真を入手。この中には、〈TOKYO 2020〉のロゴが入ったあらゆるオフィシャルグッズが詰め込まれているという。

晴海トリトンスクエアの段ボールの山

 東京五輪・パラリンピック大会スタッフが明かす。

「各会場で余ったグッズが今、晴海トリトンにどんどん集まってきています。すべて戻ってきた時には果たして何着になるのか、正直わからないですね。パンツ、シャツ、ジャケット、マスク、ポーチ、帽子、靴……それから、コカ・コーラのエコ水筒も。種類ごとに段ボールに入れて分けている状態です」

 一体なぜ、大量のオフィシャルグッズが余ってしまったのか。別の大会スタッフが語る。

「これらは、医療スタッフのためのオフィシャルグッズなんです。組織委員会は、どれだけの医療スタッフが参加するのか正確に把握していなかったため、グッズをかなり多めに発注していました。各会場は、晴海トリトンへの輸送料を削減するため、スタッフに持ち帰らせています。どうにかして在庫を一掃したいからか、今まで少しでもお世話になった医療機関や大学、果ては運送会社にまでグッズを譲渡しようとしている始末です」

無料で配布された五輪グッズを持ち帰るスタッフたち

 友人がボランティアスタッフを務めていたある女性はこう証言する。

「ある日友人が、大量のオフィシャルグッズを持って帰ってきたのです。『このままだと余った分は捨てられてしまうみたいだから、知人に配り歩いている』とのこと。『このグッズだって、私たちの税金の一部で作られているわけじゃん。だからもらっちゃえば』と言われました」