俳優の竹中直人(65)が、本番前日の7月22日に、過去に障がい者や女性を揶揄するようなコントを演じていたことを理由に、自ら申し出て出演を辞退していたことが、「週刊文春」の取材でわかった。
開会式を巡っては、作曲担当だった小山田圭吾氏が過去に同級生をいじめていたことが問題視され、7月19日に辞任。演出を統括するショーディレクターだった小林賢太郎氏も過去にホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)を揶揄するようなコントを演じていたとして、7月22日に解任されていた。
竹中が出演予定だったのは、開会式序盤の木遣り歌とダンスのパフォーマンス。女優・真矢ミキとともに、大工の棟梁役を演じることになっていた。
開会式関係者が明かす。
「7月21日に行われた通しリハーサルでは、棟梁役は真矢と竹中の2人でした。竹中はノリノリで大工たちを盛り上げ、図面を見ながら指示を出す演技をしていた。ところが小林氏が解任された7月22日、竹中も辞任を申し出たのです」
組織委員会関係者が続ける。
「小山田氏の問題が発覚してから、組織委員会は慌てて開会式スタッフの“身体検査”を行いました。それに引っかかったのではないか。実際、竹中は1985年に『竹中直人の放送禁止テレビ』というオリジナルビデオを発表していますが、障がい者を揶揄するようなコントを演じているのです」
ビデオは内容が過激だったために、版元が自主回収したとされているが、「週刊文春」は独自に内容の一部を確認した。
竹中ら一行が白杖を振り回し……
映像には、信号機のメロディを頼りに横断歩道を渡る視覚障がい者を揶揄するように、竹中をはじめとした一行がリズミカルに白杖を振り回し、笑いを取る場面が収められている。また、屍姦四十八手として、竹中が死体を模したセーラー服姿のマネキンに様々な性的いたずらをするコントもあった。
7月26日、竹中のマネージャーは取材にこう答えた。
「『放送禁止テレビ』が原因で辞任したのは事実です。小山田さんの問題が浮上した時、竹中本人から『三十六年前にこういう作品に出演している』と連絡があり、辞退したいと申し出てきた。ただ、この作品では竹中は演者。企画者でもプロデューサーでもないので、私は『予定通りお願いします』と。しかし小林さんが解任された際、コントでの言動が問題になった。これでは竹中も許されないと考えて、竹中から組織委に申し入れ、承認されました」
組織委員会にも竹中の辞任について見解を求めたが、期日までに回答はなかった。
7月28日(水)16時配信の「週刊文春 電子版」及び7月29日(木)発売の「週刊文春」では、「台本11冊を入手 開会式“崩壊”全内幕」と題し、膨大な内部資料と関係者証言を基に、MIKIKO氏チーム案で歩登場するはずだった朝ドラ女優や世界的ダンサー、女性歌手らの名前、MIKIKO氏を外した佐々木宏氏による演出案の中身、直前まで入場行進で流れる予定だった任天堂の楽曲のタイトル、大坂なおみに決まる前に最終聖火ランナーに起用予定だった人物などについて、グラビア記事も含め、計9ページにわたって詳報している。